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自民総裁選、地方票300票に増 推薦人確保もハードル

2009年9月2日7時13分

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 自民党は1日の総務会で、「ポスト麻生」を決める党総裁選を「18日告示、28日投票」の日程で行うことを確認した。「地方の声を聞く必要がある」として地方票を300票に増やすことも決定。ただ、だれを首相指名するかという肝心な点は、議論百出で結論が出なかった。

 「(自民党の国会議員が)400人いる時の『地方300票』ならいいが、200人しかいないのに300票は駄目だ。国のことは国会議員が責任を持たないといけない」

 1日の自民党役員連絡会。細田博之幹事長は、菅義偉選挙対策副委員長らが党則の総裁公選規程にのっとって地方票300票にすべきだと主張したことにこう反論した。

 党則では、47都道府県連への基礎票を3とし、残りの159票を党員数に応じて配分する計300票を地方票と定める。突然の総裁辞任など緊急の場合は、基礎票のみ(計141票)で集計する簡易方式もある。8月31日の党役員会では、今回も簡易方式を踏襲することを確認していた。

 だが、細田氏の反論に、菅氏は「地方は自民党の宝じゃないですか」と再反論。地方の声も踏まえた解党的出直しを迫られているとして、党則通り地方票300とする「本格方式」に決まった。

 この方式をとるのは、安倍総裁を誕生させた06年9月以来。ただ、当時は、地方票300票に対し、衆参国会議員の持ち票は403票だった。今回は総選挙大惨敗で国会議員票は200票に激減し、地方票より少なくなる。

 「本格方式」はこの後の党総務会でも了承。総裁選日程も「28日投票」との方針を確認した。

 だが、総裁選前の首相指名への対応は依然解決しないままだ。総務会では、細田氏が「『麻生太郎』という名前でいきたい」と切り出したが、「一致結束するには白紙(投票)が一番」(谷川秀善参院幹事長)など異論が噴出して結論が出なかった。

     ◇

 総裁選に出馬するには国会議員20人の推薦が必要だ。これまで派閥が候補擁立の母体だったが、20人以上残ったのは町村派、津島派、古賀派だけ。この3派閥も内実は一枚岩といえず、派閥単位で争う総裁選にはなりそうにない。

 しかも派閥会長では津島雄二党税調会長が引退、山崎拓元幹事長が落選、町村信孝前官房長官と伊吹文明元幹事長は選挙区で敗北。麻生首相は敗北責任を問われ、二階経産相は派閥の衆院議員が本人のみとなり、残るは古賀誠元幹事長と7人の小所帯になった高村正彦元外相だけ。「派閥会長が出馬するのは党が変わろうとするイメージにあわない」(菅選対副委員長)との批判も公然とあがる。

 このため、総裁選に出るには、派閥に頼らず20人を集めることが大きなハードルだ。このため、出馬が取りざたされる舛添厚生労働相、石破農林水産相、石原伸晃幹事長代理らはみな慎重な姿勢だ。

 さらに激戦を勝ち残った派閥会長らベテラン勢が世代交代を受け入れる保証もない。ある幹事長経験者が「舛添氏は人望がない」と言えば、三役経験者は「石原氏や石破氏が出るならおれも出馬する」。加藤紘一、中川秀直両元幹事長、鳩山邦夫前総務相が出馬意欲をみせたことがあり、谷垣禎一元財務相や林芳正経済財政相らの名前も挙がる。安倍元首相は「全く考えていない」と否定している。

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