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本部が狭い!民主党に思わぬ悩み「引っ越しが重要課題」

2009年9月3日13時29分

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写真役員室前で記者に囲まれる民主党の直嶋正行政調会長。投開票日以後、狭い通路は連日報道陣でごった返す=2日午後、東京・永田町の党本部、細川卓撮影写真民主党本部=3日午前、東京・永田町、岩下毅撮影

 総選挙で大勝し、衆参両院で417人の議員を擁する大所帯となった民主党が、思わぬ悩みにぶつかっている。手狭な本部の移転問題だ。自民党や共産党などは自前のビルを構えるが、民主は雑居ビルに間借り状態。与党になれば訪問客の殺到も予想される。党関係者からは「政権交代が実現し、次は本部の引っ越しが重要課題」との声もあがる。

 民主党本部は東京・永田町の雑居ビル(地上10階)の6フロアを賃借している。2日、上階にある役員室。鳩山代表を待つ記者が狭い通路にあふれ、部屋から幹部が出てくるたびに身動きが取れない状態になった。

 今の場所に移った97年当初は2フロアだけだったが、自由党との合併などで党の規模が徐々に大きくなったため、テナントが退去するごとに新たに借りてフロアを広げてきた。

 しかし、今でもビル1階入り口には目立った看板はなく、他の階には民間企業が入る。ここが本当に党本部かと、戸惑う訪問者もいる。エレベーターは2基で狭く、鳩山代表ですら順番待ちすることも。受付では3人の女性が代表電話の対応を兼ね、ひっきりなしに鳴る電話と来客の応対に追われている。

 同党内には本部移転を求める声はあるが、具体的な計画は進んでいない。現在のビルの賃料は年間1億5千万円。国会から歩ける範囲で何度か探したが、賃料が高い上に候補も限られ、実現できないままという。選挙後も組閣準備などで多忙を極めており、「とりあえず今はあるものを利用するしかない」(広報)としている。

 差し迫った課題は、特別国会召集時にも想定される両院議員総会だ。当選議員が一堂に会する晴れ舞台だが、最も広い5階ホールでも収容できるのは200人程度。全員が集まるのは不可能で「近くに別の会場を確保するしかない」(広報)という。

 議員からも不満の声が漏れる。川上義博参院議員は「政権を取ったらここでは手狭になると前々から党幹部に言っていたのに。各組織が各階に分散し、政権交代してより重要になった意思疎通にも影響する」と気をもむ。加藤公一衆院議員も「移れるのだったら移りたい」。

 与党となれば党職員を増やすことも必要になるが、党内には急な増員に慎重な声が多い。党事務局は「選挙による波があり、すぐに増やしたり減らしたりするわけにはいかない。なるべく現状維持で対応したい」と話す。

 一方、同じく永田町にある自民党本部は地上9階、地下3階建ての自前のビル。入り口には大勢の警備員が物々しく待ち受けている。

 エレベーターは4基。1階には関連グッズの売店や喫茶店もある。8階ホールは約500人を収容できる広さ。政権交代で議員が減り、党職員の削減や配置換えなども取りざたされるが、党関係者は「月末の総裁選まではまったくの未定」としている。(湯地正裕、島康彦、別宮潤一)

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