麻生政権が09年度補正予算に盛り込んだ主な17基金(約4兆円)の60.2%にあたる2兆4050億円が既に執行されていることが3日、朝日新聞社の調べで分かった。全46基金(約4兆4千億円)の55%にあたる。民主党は、基金の執行を凍結して独自政策に振り向ける考えだったが、「財源」の確保は困難を伴いそうだ。 46基金のうち、予算額が500億円を超える基金の現状を担当省庁に聞いた。基金を設ける団体や都道府県に対して交付を決定したものを「執行済み」として集計した。
民主党がマニフェスト(政権公約)で「ムダ遣いの恐れ」があると批判した「緊急人材育成・就職支援基金」(7千億円)と「農地集積加速化基金」(2979億円)は、ともに全額の交付を決定済み。さらに省エネ家電を買うと付与される「エコポイント」の原資になる「グリーン家電普及促進基金」(2946億円)も含め、5基金が全額を執行済みだ。逆に全額が残っているのは5基金にとどまった。
民主党では当初、計4兆4千億円の基金から3兆円規模の財源を確保する考えが浮上していたが、基金の「未執行」は2兆円にとどまる。13年度までに16兆8千億円の「財源」を確保する計画にも影響が出る可能性がある。(福間大介)