麻生首相は8日の自民党役員会で、16日召集される特別国会の首相指名選挙の直前に党総裁を辞任する意向を表明した。首相指名で「麻生太郎」と書けないという反発を踏まえ混乱回避を狙った。党執行部は「白票」を投じる方向で調整してきたが、「白票」にも抵抗は強く、麻生氏に代わる「暫定候補」に結束して投票すべきだとの意見が強まっている。
総裁選は18日告示のため、16日の首相指名への対応を巡り混乱が続いていた。首相は党役員会で「(16日の首相指名前に)内閣を総辞職する段階で総裁も辞任したい。首相指名でバラバラにならないようにしてほしい」と明言。総裁を空席にすることで結束して対応しやすくすることを狙ったものだ。
白票は国会議員の重大な権限と責任を放棄するもので異論も強い。鳩山民主党代表が新首相に指名されるのは確実なため、8日の党総務会では若林正俊両院議員総会長や野田毅総裁選管理委員長ら暫定候補に投票した後、総裁選に臨むとの意見が大勢を占めた。