自民党執行部は、総選挙惨敗による収入減で検討してきた党職員のリストラを当面見送る方針を固めた。来夏の参院選までは給与削減で対応する考えだ。
同党は総選挙で衆院議員が181人減り、国会議員数がほぼ半減。来年分の政党助成金は52億円減の104億6700万円になる見通し。野党転落で企業献金の激減も予想され、台所事情は火の車だ。このため、約180人の党本部職員のうち60人程度をリストラする案が浮上。少数政党に転落した社民党が職員のリストラを進めた例もあり党職員は戦々恐々としていた。
しかし、細田博之幹事長は「来夏の参院選で勝つには職員の解雇は見送ったほうがいい」と判断。給与削減や原則65歳の定年制の厳格適用で人件費を削るが、当面はリストラを回避する考えを職員側に伝えた。ベテラン職員は「無給じゃ困るが、多少給料が下がっても頑張るのが政党人。民主党にいくわけにいかないから」と胸をなで下ろす。
ただ、28日投票の総裁選で選出される新総裁が方針を覆す可能性は否定できない。財政難対策は新執行部の重大な課題で、党職員たちの懸念は簡単に消えそうにない。