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なぜ議員会館改装 3400万円、使うの10カ月だけ

2009年9月14日18時59分

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写真落選した自民議員が使っていた部屋では改装作業が進められていた=8日、東京都千代田区永田町の衆議院第1議員会館

 新旧議員の入れ替わりで、衆院議員が事務所を構える議員会館の内装リフォームが進んでいる。契約額は約3400万円。議員会館は来年7月にも新議員会館に引っ越す予定で、議員からも「少しぐらい汚れていても、10カ月だけ我慢すればいいのに」と疑問の声があがっている。

 東京・永田町の衆議院第1議員会館。衆院選で落選した議員の部屋では、床のじゅうたんがはがされてコンクリートがむき出しになり、扉にこびりついたテープを作業員がはがしていた。壁紙はすでに真新しいものに替わっている。新衆院議員が初登院する16日からの特別国会に向け作業は大詰めだ。

 衆議院の議員会館は二つあり、国会での活動の拠点として全議員が事務所を置く。衆議院広報課によると、議員の今回の入れ代わりに伴って改装しているのは、全480室のうち217室だ。

 工事は改装業者と契約を結び、工事実績に応じて支払う予定だ。総選挙の開票前の段階では140室の改装を予定し、約3400万円と見積もった。1部屋あたり24万3千円で、内訳は、じゅうたんの張り替え8万2千円、壁紙の張り替え7万円、天井の塗装3万円など。民主党の大勝で改装が必要な部屋数が増え、改装費もその分増える見込みだ。

 同課によると、05年の衆院選でのリフォームは137室が対象だったのに約8千万円かかった。1部屋あたり58万4千円。今回は、じゅうたんのグレードを15万円分下げるなどして「節約」したという。

 節約の理由は、議員会館のすぐ隣で建設が進む新議員会館。総事業費1100億円をかけて工事が進み、来年7月ごろに引っ越す予定で、担当者は「移転を控えて改装を必要最低限にしている」と説明する。

 とはいえ、わずか10カ月後に使われなくなる現議員会館の改装には疑問の声がある。自民党で無駄遣い撲滅プロジェクトチームのとりまとめ役を務める河野太郎議員は「新会館に移るまで10カ月なのに壁紙の張り替えなどを一律にやる必要があるのか」と話す。伊関友伸・城西大准教授(行政学)は「多少のシミがあっても我慢し、コスト削減を誇るような議員の意識改革が必要だ」と指摘している。(福井悠介、河野正樹)

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