理工系的発想で社会問題に挑戦! 学生によるアイデアソンを開催

 朝日新聞社は理系学生を対象にアイデアソンを開催します。あえて理系学生の研究テーマになりにくい社会課題をテーマに選び、初めて出会ったメンバーと、一気呵成に解決案を提案する醍醐味を堪能していただきます。

 PBL(Project Based Learning)が浸透する中、今回のアイデアソンでは数十分という時間の制約を設け、複数の課題に次々に挑戦していきます。現実にある社会課題の解決案を短時間でひねり出していくというコンセプトで、社会の最前線で活躍するゲストを交えて取り組んでいきます。第2回目となる今回は、趣旨にご賛同いただいたお茶の水女子大学、慶応義塾大学、工学院大学、津田塾大学、早稲田大学の先生方(コーディネーター)の推薦による学生が参加しました。


開催概要 結果報告 昨年のようす

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第2回 ワンデーアイデアソン結果報告 (2016年開催)


(左)優勝はDチーム!準優勝はAチーム!

 現実に起きている社会課題にチャレンジするアイデアソンが、12月4日、早稲田大学(東京)で開催された。参加したのはお茶の水女子大学、慶應義塾大学、工学院大学、津田塾大学、早稲田大学の理系学生たち。六つのチームに分かれ、実社会で活躍するゲストが投げかけた現実の社会問題に、次から次へと短時間で挑戦していった。今年で2回目となるこのアイデアソンは、現実に起きている問題に短時間で次々に取り組んでいくのが特徴。1テーマにつき60分程度の時間の制約を設け、三つの課題に取り組んだ。

 1つ目の課題は「自治体が提供すべき婚活」。ゲストとして参加した埼玉県本庄市の吉田信解市長は、日本社会全体の問題としてこの課題を学生たちに投げかけた。この課題は昨年もテーマとして扱ったが、人が変われば出てくるアイデアも変わる。正解があるようでない問題に、時間に追われながら考えをまとめていく。架空の問題ではなく、自分たちのこととして認識するように吉田市長が語りかける。

 2つ目の課題は「情報伝達の精度向上と実際のジャッジメントについて」。情報伝達の大切さと、起きてしまった目の前の問題をどう決着すべきか、そのジャッジメントについて理解するのも難しい問題を、短時間で解決することは更に難しい。そんな学生たちのアイデア出しに、グラフィックレコーディングの驚異的なパフォーマンスで周囲を驚かせたのが、ディー・エヌ・エーの和波里翠さんだ。「その発想はこういうことになるんですよ」学生が議論しているそばからリアルタイムで可視化していく技術にヒントを得て、また一段と深掘りしていく。

 3つ目の課題は「コミュニケーションに人工知能(AI)をどう活用していくべきか」。3つの課題をこなした結果、Dチームが優勝、準優勝はAチームとなった。


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見崎大悟准教授から学生たちにメッセージ

見崎大悟准教授から学生たちにメッセージ

 自身の留学経験を踏まえ、海外と日本のアイデア出しの違いや、デザイン・シンキングの考え方を学生たちに伝える工学院大学の見崎先生。非常に多くのスライドをテンポよく解説し、学生たちはスクリーンに釘付けに。オープニングで先生から元気をもらって、ウオームアップ開始!



 

マシュマロ・チャレンジD班

マシュマロ・チャレンジD班

 今年はウオームアップイベントとして「マシュマロ・チャレンジ」を実施。
18分間の持ち時間でパスタと弱粘性紙テープ、紐を使ってマシュマロをどれだけ高い位置に自立させられるかを競った。
 マシュマロは意外に重く、最後にマシュマロを設置しようすると、強度が足りずに自立しないことも。D班は比較的早く自立させたが、計測時に崩れるハプニングも。



 

マシュマロ・チャレンジB班

マシュマロ・チャレンジB班

 マシュマロ・チャレンジの優勝はB班。計測の結果が出るまでは皆祈るようにしていた。
結果は唯一 60cm 台の高さに。接戦をものにして、昼食は懐石弁当を獲得した。



 

先生たちもマシュマロ・チャレンジに挑戦

先生たちもマシュマロ・チャレンジに挑戦

 先生たちもマシュマロ・チャレンジに挑戦。残念ながら優勝ならず。



 

ランチミーティングF班

ランチミーティングF班

 ランチタイムも頭をフル回転。本番の課題に挑戦する前に、自分たちが「今話し合うべき社会課題は何か」をKJ法等を駆使して話し合った。ファシリテーターから「今日に限ってはポストイットのECOは無視して、どんどん考えを出して分類して」とアドバイスをもらうと、各チームともあっと言う間にテーブルが埋まってしまった。



 

学生に課題の背景を説明する吉田市長

学生に課題の背景を説明する吉田市長

 埼玉県本庄市の吉田信解市長が問題の背景を説明する。学生に寄り添うよう、ゆっくり、優しく語り掛ける。しかし、「現実に何が起きて、今後どうなっていくのか、皆さんで自分のこととして考えてほしい」と力強く話すと、会場全体の空気が一瞬にして変わった。



 

吉田市長に視線が集まる

吉田市長に視線が集まる

 誰一人として話を聞いていない者がいない空間というのは本当に珍しい。吉田市長の話はその場にいる全員の注意を強烈に引き寄せる。



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検討を開始するA班

検討を開始するA班

 ウオームアップで十分に暖まったA班。今日会ったばかりのメンバーとも十分に打ち解けて、ランチミーティングでは笑顔が絶えなかった。本日最初の課題が提示される頃には、話し合いの基本的なかたちは既に出来ていた。



 

C班の発表

C班の発表

 C班の発表はイラストを中心にして訴求力をアップ。先生たちからもプレゼン能力の高さは一目置かれた。発表内容を順序立てて、訴求力を高める工夫も見られた。



 

ファシリテーターの横部延寿さん

ファシリテーターの横部延寿さん

 第1回目からファシリテーターとして会場を盛り上げ続けてくれる横部延寿さん。「今、この会場で奇跡が起きています!」話し方、注目の集め方、議論の運び方、盛り上げ方、礼儀の大切さ。今年も短時間で学生に多くのメッセージを残してくれた。



 

E班の発表は会場を笑顔に

E班の発表は会場を笑顔に

 このアイデアソンを一番楽しんでいたのはE班だったかもしれない。検討段階から会場全体の雰囲気を作り、ユニークな発表は笑顔を作ると同時に、頷く者も多かった。



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学生にアドバイスする和波里翠さん

学生にアドバイスする和波里翠さん

 プレゼンにちょっとしたエッセンスを加えたり、視点を少し変えると全体の印象が変わるマジックを学生にアドバイスする和波里翠さん。グラフィックレコーディングの合間に、情熱を持って学生に接してくれた。



 

和波さんのグラフィックレコーディング

和波さんのグラフィックレコーディング

 いつの間にっ!リアルタイムで考えや議論のポイントを描いていくディー・エヌ・エーの和波さん。振り返るとみんなが話していたことが絵になっている。グラフィックレコーディングの醍醐味を今年も披露してくれた。



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早稲田大学上杉繁教授

早稲田大学上杉繁教授

 今年の優勝、準優勝が発表されると、その理由を詳細に説明する早稲田大学の上杉繁先生。ファシリテーターの横部さんも「先生たち、よく見てくれてるだろう。みんな良かったな!」と感心。



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稲葉先生(左)と見崎先生(右)学生たちが起こす化学反応を見て先生たちも楽しそう。 ハッピを着てアイデアソンの様子を号外配布

松下達也特任教授(お茶の水女子大学) 見崎大悟准教授(工学院大学)

稲葉利江子特任准教授(津田塾大学) 小舘亮之教授(津田塾大学)

上杉繁教授(早稲田大学) 吉田裕亮理学部長(お茶の水女子大学)


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忘れられない体験に

 アイデアソンを終えた学生たちから「忘れられない体験になった」、「一日で自分の成長が感じられた」、「とにかく楽しかった。これからは積極的に参加したい」、「頭は疲れたが得るものが大きかった」などの声が寄せられた。準備段階から学生たちのことを考え、どんなコンセプトにするか、どんな課題を出すかなどを、情熱を持って考え抜いてくれたゲストの2人と先生方。打ち合わせは何時間にも及んだ。昨年にも増して密度が濃くなった第2回ワンデーアイデアソンは、その思いに学生の皆さんが応えてくれたかたちで幕を閉じた。



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