明日への環境賞
|
|
![]() |
|---|
| 回収した製品を手分解で44種類の部品に仕分けする=神奈川県海老名市の富士ゼロックス工場で(提供) |
![]() |
| Fuji Xerox Eco-Manufacturing Co., Ltd.の概観=04年、タイで |
4月から家電リサイクル法が施行され、廃棄家電製品のリサイクルがメーカーに義務づけられた。大量生産・消費・廃棄の社会は行き詰まり、資源循環型社会への移行が迫られている。コピー機は家電リサイクル法の対象外だが、同社の取り組みは法のめざす社会を先駆けて達成しようという意欲的なものだ。
昨年9月に確立したシステムは、燃やしたり埋め立てたりすることなく、回収した製品の全量を再資源化する「ゼロエミッション」である。
まず、系列販売店を含む企業グループぐるみの製品回収拠点を全国に配置。回収した製品を手作業で44種類の部品に分解し、再利用する部品は厳しい検査で新品と同じ品質であることを確認。再利用できないゴム、ガラス、重金属についても徹底して再資源化、つまり原材料として再利用する。
システムがうまく稼働するように、商品開発の考え方も全面的に見直した。長持ちするように耐久性を高め、分解しやすくするように設計を変えた。
再利用部品を使った製品の総生産台数に占める割合は25%にのぼり、1台当たりの再利用部品使用比率(部品点数比)は50%弱に達する。これまでに生産した再利用部品使用製品は54機種、14万台以上になる。
「21世紀の企業像はどうあるべきか、社内で議論した。経済性(収益)だけでなく社会性や人間性も欠かせないということになって、たどりついたのがこの製品回収・再資源化システムです」と担当者は語る。
(2001/04/17)
- 富士ゼロックス株式会社
- 活動開始時期 1995年(「廃棄ゼロ」、資源循環システム構築に向けた活動の開始時期)
- 現在の活動の概要および将来の予定
-
統合リサイクルシステムは、各国ごとに国内で行う処理と異なり(1)9ヵ国・地域の協力と信頼のもとで(2)中間処理業者に委託することなく、企業の責任において使用済商品の国境を越えた回収、分解、有害物の無害化を行い(3)再資源化率を確実に向上させ、限りなく「廃棄ゼロ」を目指し(4)処理費用は各国販売会社が負担する国際公平分担を行い(5)量を確保することで生産性を高め(6)拠点国タイにとっては、国内の「廃棄物」を削減できる(約25%→0に)ほか、新しい産業システムを創出するきっかけとなる─などの特徴を持っている。
システム構築のためには不法投棄の回避、有害物の適正処理、廃棄物の越境規制をクリアすることが必要であり、その実現に向けて、輸入国との「共創」、リサイクルも国内同等の品質第一、という基本方針、(1)不法投棄を防止する(2)輸入国に環境インパクトを与えない(3)「ゴミ」を持ち込まない(4)メリットを還元する─という4原則のもとで各国政府との交渉を進め、統合リサイクル拠点である「Fuji Xerox Eco-Manufacturing Co., Ltd.」(本社:タイ国チョンブリ県、社長:長谷川 弘之、資本金:3億円)設立といった準備を進めてきた。このシステムは04年12月以降順調に稼動しており、今年4月28日、「3Rイニシアチブ国際シンポジウム」※(主催:NPO法人循環型経済社会推進機構 国際連合大学。共催:経済産業省)が東京の国際連合大学本部で開かれた際には民間企業から唯一、全体パネルに参加している。
※3R(Reduce、Reuse、Recycle)に関するさまざまな問題に関し、国際的な産学官機関より専門家の参加を得て率直な意見交換を行ない、各国リサイクル関係者が交流する機会を提供することを目的としている。 - 受賞後に新しく始めた取り組み
-
日本と同じ品質の資源循環システム※をアジア・パシフィック(AP)地域へ拡大・徹底
※AP地域の計9ヵ国・地域から自社回収した複写機/プリンターなどの使用済商品やカートリッジを、自社工場で鉄系、アルミ系、レンズ、ガラス、銅系など64カテゴリーに徹底的に分解・分別し再資源化する、国際資源循環ネットワーク─アジア・パシフィック統合リサイクルシステム - 問い合わせ先
〒107−0052 東京都港区赤坂2−17−22 - TEL:03-3585-3211 FAX:03-3505-1609
- ホームページアドレス
http://www.fujixerox.co.jp/ - (2005/07)
- ◆その他の第2回受賞団体
- * 特定非営利活動法人 北海道グリーンファンド(札幌市)
市民の手で、日本初の「グリーン電力料金」を実現し、風力発電施設を着工。自然エネルギーの普及と地球温暖化防止に努めている。 - * 福井県大野の水を考える会(福井県大野市)
台所の井戸水を守るため、地下水による融雪をやめようと呼びかけるなど、4半世紀にわたって地下水保全や節水の活動を続けている。 - 【農業特別賞】財団法人 阿蘇グリーンストック(熊本県阿蘇町)
野焼き支援ボランティアや、あか牛の産地直売など、独自の工夫で生産者と消費者を結びつけ、農林畜産業の振興と、阿蘇の大草原を守る活動を続けている。 - 【森林文化特別賞】速水林業(三重県海山町)
「最も美しい森林は最も収穫の高い森林である」という理念を掲げ、環境保全に配慮した森林管理によって、模範となる林業経営を続けている。




