明日への環境賞


第6回
明日への環境賞

受賞の記録

Environment for tomorrow Prize

受賞の記録

残土・産廃問題ネット・ちば
不法投棄監視、被害相談も

 千葉県市原市と木更津市にまたがる残土の山は、20階建てのビルほどある。崩落事故が相次ぎ、土砂が付近の水田や杉林を埋め、巻き込まれそうになった住民もいる。

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崩落事故があった残土処分場を視察するメンバーら。右から3人目は中村敦夫元参院議員=04年2月、千葉県市原市で

 残土・産廃問題ネットワーク・ちば(残土ネット)は、許可をはるかに上回る土砂を搬入していることを指摘。県は昨春、森林法や県残土条例の違反で業者の事業許可を取り消した。だが、隣接地では新たな残土処分場建設の計画が進む。

 堂本暁子知事は1月、この崩落現場を視察。「自然災害です」と説明する県の課長を、立ち会った事務局長の井村弘子さん(84)は一喝した。「積み方が悪いから崩れたのよ」

 首都圏からの産業廃棄物や残土が集中し、「産廃銀座」と呼ばれる千葉。全国で不法投棄されたまま残っている産廃のうち3分の1が千葉に集中する。残土対策として98年にいち早く残土条例を施行したが、約100カ所の処分場にはいまも問題のあるところが少なくない。

 残土ネットは97年11月の発足以来、市民の先頭に立って産廃や残土による環境破壊の防止に取り組んできた。被害に苦しむ住民の相談に乗り、不法投棄を監視し、行政や業者にかけあってきた。

 次々に残土の山ができ、森が切られていくことへの危機感は強い。6月に「残土処分と森林保全」をテーマにフォーラムを開催する。残土を減らし、森林を守るにはどうすればいいかを考え、森林の再生につなげていきたいという。


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「不法投棄マップ」(05年6月発行)から

<産廃銀座>
 03年度の全国の産業廃棄物の不法投棄は894件、74万5千トン。累積では全国で2320件、1267万トンが残っており、都道府県別で最も多いのが千葉県の388万トン。同県は汚名返上に向け県警に環境犯罪課を設置、県職員などによる24時間パトロールも実施している。

 残土ネットは00年、現地調査や市町村へのアンケートによって不法投棄場所を地図上に示した全国初の「残土・産廃千葉県マップ」を作成した。土壌汚染対策法が施行されると、汚染履歴を知りたい不動産業者らから引き合いが相次いだ。現在、水源の汚染情報などを加えた新版に向けての改訂作業中だ。


(2005/04/13)


残土・産廃問題ネットワーク・ちば
活動開始時期 1997年11月3日
会員数 122人
現在の活動の概要および将来の予定
  •  千葉県下の残土・産廃についての報告会を開催予定
  • 環境省、国土省、農水省に残土法を作ること、ゴミゼロ運動を目指して国も動いていくことを要請する予定。このまま残土・産廃問題を放置すれば、第二のアスベスト問題が起こってくることは必定だ。銚子などは現時点で、すでに電導計を振り切るような井戸水が戸ごとにある。簡易水道もあるが、良い水というわけではない。かっての千葉県はあふれる自然と、豊かな産物の宝庫だった。生活の時計が狂っていることを考えなければと思う。
受賞後に新しく始めた取り組み
  1. 「千葉県不法投棄マップ」を出版
  2. 残土問題が、里山を守ろう、森林を守っていこうという運動につながっている。5月には里山を守っていこうとイベントを開催し、6月には『残土処分と森林保全』を開催
  3. 「千葉市環境フェスティバルに参加し、千葉県の残土・産廃の写真を展示
問い合わせ先
 〒275−0021 千葉県習志野市袖ケ浦2−3−1−110井村方
 TEL:047-454-7549 FAX:047-454-7549
ホームページアドレス
 http://zando-net.info
(2005/07)
◆その他の第6回受賞団体
*日本環境会議(東京都国立市)
今後の地球環境に多大な影響を与えるアジアにおいて、研究者間の交流と市民団体との連携を深めながら、独自の「アジア環境白書」を継続的に発行してきた。
*愛農学園農業高等学校(三重県伊賀市)
農薬や化学肥料を一切使わない有機農業を先進的に取り入れて、特色ある教育を進め、安全な食べ物をつくる多くの農業後継者を育てている。
*コウノトリ野生復帰推進連絡協議会(兵庫県豊岡市)
国内で絶滅したコウノトリの保護増殖と野生への復帰に長年取り組むとともに、人間と共生できる環境づくりを地域を挙げて進めてきた。
*国頭村安田区(沖縄県国頭郡)
絶滅の危機にあるヤンバルクイナと生息場所である森の生物多様性を守るため、環境整備や自分たちのネコを個体登録するなど、地道で幅広い活動を進めている。