明日への環境賞


第6回
明日への環境賞

受賞の記録

Environment for tomorrow Prize

受賞の記録

日本環境会議
アジア問題、市民らネット

 深刻な公害の広がり、格差と貧困。アジアではさまざまな環境問題が同時に起きているが、情報は少ない。

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中国の環境法関係者に水俣病の現地説明をするメンバーら=04年3月、熊本県水俣市で

 その中で日本環境会議が発行する「アジア環境白書」は貴重な情報源で、97年から3年ごとに発行し、英語版も出している。いま4号目を準備中。

 研究者間の協力態勢づくりが大変だった。90年に各国の研究者を訪ねることから始め、翌年、8カ国から100人が参加する「第1回アジア・太平洋NGO環境会議」(バンコク)の開催にこぎつけた。会議はアジア各地で6回を数え、参加者も大きく増えた。

 その草の根ネットワークを生かしてつくっているのが白書だ。各国の環境報告、データ、特集などで構成。最新の「03〜04年版」では、各国の軍事基地の汚染や森林と水田の生物多様性、メコン川流域の開発などを特集した。現地の情報を重視した人の顔が見えるNGO版白書をめざす。

 日本環境会議は研究者を中心に弁護士、一般市民ら400人でつくる。25年の歴史を持ち、水俣病などの公害に対して、つねに被害者側にたった活動を続けてきた。

 こうした経験がいまアジアの役に立つ。中国では住民による公害裁判が起きつつある。このテーマでの日中の交流会を積極的に開いている。

 白書の編集責任者、寺西俊一・一橋大教授(環境経済学)は「今後は問題を解決する協力を広げ、将来はアジア共通の環境政策をめざしたい」と話す。


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95年から始めたNGO版『アジア環境白書』シリーズの出版物。英語版、韓国語版もある

<アジアの環境問題>
 アジアは人口増と水や大気の汚染で、地球環境の将来を左右する。30年の地球人口予測では、世界八十数億人の6割をアジアが占める。とくに都市が膨張し、人口1千万人以上の都市は95年は東京と上海(世界で5都市)だったが、15年には18都市(世界で26)になる。

 カギは中国。石油消費量は日本を抜いて世界2位。年6%ほどの成長が続けば20年の二酸化炭素排出量は00年の2倍、世界の2割近くを占め、2千数百万台の自動車数は1億数千万台になるとの予測も。成長と環境保護の両立をアジア全体で考える必要がある。


(2005/04/13)



日本環境会議
活動開始時期 1979年6月
会員数 約400人
現在の活動の概要および将来の予定
  •  将来の計画としては、『アジア環境白書』シリーズの継続発行の取り組みをさらに積み上げていくとともに、これまでの「アジア環境協力ネットワーク」づくりを基礎にして、いずれ「アジア環境協力機構」の設立提言などを進めていきたい。
受賞後に新しく始めた取り組み
  •  これまでの取り組みの継続・積み上げとして、現在、『アジア環境白書』シリーズの第4弾の編集作業、「アジア環境協力ネットワーク」づくりの一環としての「第7回アジア・太平洋NGO環境会議」(於・カトマンズ)(05年11月初旬予定)および「第3回環境被害救済に関する日中国際交流ワークショップ」(於・上海)(05年11月下旬予定)などの開催準備を進めている。
問い合わせ先
 〒186−8601 東京都国立市中2−1 一橋大学大学院経済学研究科 寺西俊一研究室気付 日本環境会議事務局
 TEL:042−580−8260
 FAX:042−580−8748
ホームページアドレス
 http://www.einap.org/jec/
(2005/07)
◆その他の第6回受賞団体
* 残土・産廃問題ネットワーク・ちば(千葉県習志野市)
建設残土や産業廃棄物の投棄による環境破壊の監視、被害者の救済、行政への働きかけ等に市民が手を携えて取り組み、全国各地でごみ問題に立ち向かう人たちの手本となっている。
*愛農学園農業高等学校(三重県伊賀市)
農薬や化学肥料を一切使わない有機農業を先進的に取り入れて、特色ある教育を進め、安全な食べ物をつくる多くの農業後継者を育てている。
*コウノトリ野生復帰推進連絡協議会(兵庫県豊岡市)
国内で絶滅したコウノトリの保護増殖と野生への復帰に長年取り組むとともに、人間と共生できる環境づくりを地域を挙げて進めてきた。
*国頭村安田区(沖縄県国頭郡)
絶滅の危機にあるヤンバルクイナと生息場所である森の生物多様性を守るため、環境整備や自分たちのネコを個体登録するなど、地道で幅広い活動を進めている。