明日への環境賞
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| 訓練ケージの中を飛ぶコウノトリ=5日午前、兵庫県豊岡市の県立コウノトリの郷公園で |
約110羽に増えた中から9羽が選ばれ、屋根のある訓練ケージの中を飛んだり、人工の小川を泳ぐドジョウなどを取ったり。9月には自然に放たれ、全長2メートルもの羽を広げて大空に舞い上がる姿が見られそうだ。
いったん絶滅した鳥を保護・増殖し、その場所で野生に復帰させる例は世界でも珍しい。
保護活動は55年にできた保護協賛会に始まる。当初はうまくいかず、85年に旧ソ連・ハバロフスクから幼鳥を譲り受けてから、増殖は順調に進みだした。
しかし、増殖技術の向上だけで野生には戻せない。エサになるドジョウやカエルなどが生息する川や田んぼがあり、巣になる高い木が生い茂る。そんな自然環境が必要だからだ。
国と県、豊岡市などは3年前、「コウノトリ野生復帰推進協議会」を作った。その後、今の名前に変え、農協や漁協、NGOなど24の個人・団体が参加する。川の浄化や田んぼでの農薬使用の制限、里山の整備などに地域を挙げて取り組む。野生復帰に携わる池田啓・兵庫県立大学教授は「コウノトリの保護は人の安全、安心をもたらしてくれる。地域づくりの象徴がコウノトリ」と話す。
保護を始めて半世紀。自然への放鳥とペアリングがうまくいけば、来年の6〜7月にはヒナの巣立ちが見られそうだ。
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| コウノトリの切手 |
<コウノトリ>
大型の鳥で白い体と黒い翼、太いくちばしが特徴。主にシベリア東部の湿地帯にすみ、生息数は中国などを含め2千数百羽と推定される。国際自然保護連合のレッドリストで絶滅危惧(きぐ)種に指定され、日本では国の特別天然記念物。江戸時代は江戸をはじめ全国各地に生息していたとみられるが、明治以降に急減した。戦前の捕獲や戦争中の松の木の伐採、戦後の農薬使用などが原因とされている。
兵庫県豊岡市で71年に野生の最後の1羽が死に、日本で野生のものは絶滅した。その後、人工増殖したコウノトリを野生に戻す拠点として、兵庫県が99年にコウノトリの郷公園を開園した。
(2005/04/13)
- コウノトリ野生復帰推進連絡協議
- 活動開始時期 2003年7月
- 会員数 地域で活動する住民組織、農業分野や環境保護の団体、NPO法人及び国・県・市町など地方公共団体の代表者21人に学識者3人を加えた24人で構成
- 現在の活動の概要および将来の予定
- コウノトリが野生で暮らして行くには、餌となる動物と子孫を育てるための巣作りの場所を確保することが最も重要だ。協議会ではこれらの環境を整えるため環境創造型農業の推進、里山林の整備、河川の自然再生に継続して取り組んでいる。
特に生息の重要なフィールドとなる水田については、農薬を使わない農法の技術講習会や意見交換会などを開いて環境創造型農業は啓発を進め、地域の中で広がりつつある。今後は、これらの安心・安全な方法で作られた農産物が消費者の理解と信頼を得て、全国の食卓にならぶようになるためのPRや流通の活性化の方法について地域で考えたい。 - 受賞後に新しく始めた取り組み
- 05年9月24日に自然放鳥を開始。協議会では、記念すべき放鳥を地域が一体となって盛り上げていけるように、啓発ロゴマークを作成した。
また、受賞の副賞を活用して、但馬地域で環境教育に取り組む小・中学校に双眼鏡や鳥観察の手引書を贈った。子どもたちが、地域の雄大な自然を愛し、放鳥したコウノトリを優しく見守り続けることにより、ふるさとを誇りに思う気持ちが育ってくれることを期待している。 - 問い合わせ先
〒668−0025 兵庫県豊岡市幸町7−11 -
TEL:0796−26−3616
FAX:0796−24−7490 - ホームページアドレス
http://web.pref.hyogo.jp/tajima/kikaku_tiiki/index.html - (2005/07)
- ◆その他の第6回受賞団体
- * 残土・産廃問題ネットワーク・ちば(千葉県習志野市)
建設残土や産業廃棄物の投棄による環境破壊の監視、被害者の救済、行政への働きかけ等に市民が手を携えて取り組み、全国各地でごみ問題に立ち向かう人たちの手本となっている。 - *日本環境会議(東京都国立市)
今後の地球環境に多大な影響を与えるアジアにおいて、研究者間の交流と市民団体との連携を深めながら、独自の「アジア環境白書」を継続的に発行してきた。 - *愛農学園農業高等学校(三重県伊賀市)
農薬や化学肥料を一切使わない有機農業を先進的に取り入れて、特色ある教育を進め、安全な食べ物をつくる多くの農業後継者を育てている。 - *国頭村安田区(沖縄県国頭郡)
絶滅の危機にあるヤンバルクイナと生息場所である森の生物多様性を守るため、環境整備や自分たちのネコを個体登録するなど、地道で幅広い活動を進めている。




