手塚治虫文化賞

第4回マンガ大賞

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マンガ大賞

諸星大二郎 『西遊妖猿伝』(潮出版)

《不思議な運命の巡り合わせ》

 このたび、思いがけず大きな賞をいただくことになり、驚いています。今まで、こういうものには縁がないと自分で勝手に思い込んで、マイペースでずっとやってきたので、驚くというより、少々狼狽していると言ったほうがいいかもしれません。 そもそも、二十数年前に実質的にデビューして、現実にマンガ家生活を始めるきっかけになったのは、「少年ジャンプ」で公募していた新人賞「手塚賞」を受賞してからでした。今また、手塚先生の名前を冠した賞をいただき、不思議な運命の巡り合わせ…と言ったらオーバーですが、先生も「西遊記」を描いておられることだし、なにやらできすぎた偶然のようなものを感じていました。そうなると僕はさしずめ、手塚先生の掌の上でいばっている孫悟空のようなものでしょうか。まあ、それは考えすぎとしましても、これからもマイペースは変わらないと思うので、如意棒ならぬペンを持って、こつこつ天竺を目指して歩き続けようと思います。時にはアイデアというきんと雲に乗って…。


《諸星大二郎》

 もろほし・だいじろう。1949年、長野県生まれ。東京都庁に約4年勤め、その間に『ジュンコ・恐喝』が「COM」に掲載される。退職後、本格的な創作活動に入る。74年、事実上の商業誌デビューとなる『生物都市』(少年ジャンプ)で手塚賞を受賞、異色マンガ家として一躍クローズアップされる。少年誌に『暗黒神話』『孔子暗黒伝』等を発表した後、主に青年誌に舞台を移して、SF、ホラー、古代史、中国、伝奇もの等、様々なテーマを描き、綿密な考察と丹念なペンタッチ、特異な絵柄で独自の作品世界を構築する。92年、『異界録』『ぼくとフリオと校庭で』で日本漫画家協会賞優秀賞。今回の受賞作『西遊妖猿伝』は4部構成の大長編であるが、83年に連載を開始(スーパーアクション)、97年に第2部(コミックトム)まで完了。単行本は第16巻まで刊行。

※受賞者プロフィールは当時のものです。