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| ©もりもと崇/少年画報社 |
遊郭舞台、話に広がり
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| 「難波鉦異本」から©もりもと崇/少年画報社 |
「まさか手塚先生の名を冠した賞をいただけるとは想像の範囲外。急にひなたに引っ張り出されたモグラみたいなもので、まだあっけにとられています」
増え始めた時代劇マンガ誌に、遊郭を舞台にした作品を持ち込み、何本かの読み切りを経て01年、初めての連載として受賞作を描き始めた。
「ほかのマンガは切り合いが多くて、女の人もあまり出てこない。それなら、人も死なず、女の子が出てきて読んでホッとする“はし休め”みたいなマンガがあってもいいだろう、と思って」
大坂新町の遊郭。無愛想で口は悪いが、客あしらいとソロバンにたけた遊女・和泉と、井原西鶴らなじみ客が、和泉の付き人の少女ささらの目を通して描かれる。色気と情緒漂う浮世絵風の柔らかな描線と、毒気を吐く劇画風のどぎついデフォルメを使い分け、揚げ代がわりにもらった大トカゲの話や、男装した和泉の相撲見物など、一風変わった「廓(くるわ)もの」を展開する。
「遊女ものにはパターンがある。売られてきてしごかれ、のし上がり、悲しい最期を遂げる。そのパターンはおさえつつも、もっと広がりのある話を描きたい。だから、遊女の外出が比較的自由だった大坂を舞台に選んだ。西鶴は、常識外れの遊びをいろいろさせてサマになるので使いやすい。説教たれる大人にも、エロオヤジにもなれる便利な人です」
この時代の風俗を描いた杉浦日向子さんが江戸の粋なら、こちらは大坂のコテコテ路線か。
「関東の人から見たらコテコテに見えるかなあ。僕はアク抜きして出してるつもり。西鶴を読むと、この時代の大坂ってコテコテというよりノターッとしてそうなところですよ」
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