手塚治虫文化賞

第10回短編賞

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短編賞

伊藤理佐『女いっぴき猫ふたり』(双葉社)、『おいピータン!!』(講談社)、『おんなの窓』(「週刊文春」連載)など一連の作品に対して

©伊藤理佐/講談社

《ありふれた日常に笑いの種見いだす》

 マンガ雑誌に女性誌にインターネット。7本の連載を抱える売れっ子。

 「手は抜いていないが気は抜いている『女いっぴき』と、すごい時間をかけて創作している『おいピータン!!』の両方が同時に評価されて、不思議な気持ち。努力の方向が分からなくなりました」と笑う。

 ごくありふれた日常から、笑いの種を集めてきた。ウェブ連載をまとめたエッセーマンガ「女いっぴき」は、14歳の愛猫「ニャコ」「クロ」が度々登場する身辺雑記。「私にとっては後書きのような作品。つまんなくってもだれも文句を言わないような」

「女いっぴき猫ふたり」から
©伊藤理佐/双葉社

 一方、「ピータン」は創作による8ページ。食べ物や恋愛を題材に、ごく普通の人々の魅力を描き出す。05年度の講談社漫画賞(少女部門)はこの作品で受賞した。「おんなの窓」は、「微妙な年齢を売った」という1コマだ。

 今年37歳だが、デビューは高校3年生、来年でキャリアは20年になる。「一回頼んでみたが、やってもらうことがなかったから」とアシスタントもつけず、一人で描き続けている。

 すき間産業のように、面白いマンガに挟まれた意外に面白いマンガが目標だ。「どこにでもいる普通の人の話を、面白く、大げさに、ネタとして描きたいなあ、と」


《伊藤理佐》

 いとう・りさ。1969年、長野県生まれ。87年に「お父さんの休日」でデビュー。主な作品に「おるちゅばんエビちゅ」「やっちまったよ一戸建て!!」など。

※受賞者プロフィールは当時のものです。