手塚治虫文化賞

第15回手塚治虫文化賞贈呈式

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第15回手塚治虫文化賞贈呈式

  • ◇日時 2011年5月27日(金)16:00〜17:40
  • ◇会場 東京・築地の浜離宮朝日ホール(朝日新聞東京本社内)
  • ◇主催 朝日新聞社
  • ◇参加無料
〈贈呈式〉
正賞と副賞の贈呈、受賞者のスピーチ
マンガ大賞
『JIN−仁−』(集英社)村上もとかさん
『竹光侍』(小学館)松本大洋さん、永福一成さん
新生賞
荒川弘さん『鋼の錬金術師』(スクウェア・エニックス)
(映画「鋼の錬金術師」エドワード役)代理 朴路美(「路」は本来は王へんに路)さん
短編賞
山科けいすけさん
〈トークイベント〉
「マンガ大賞受賞記念対談」
村上もとかさん × 永井豪さん(漫画家・選考委員)
松本大洋さん、永福一成さん × 中条省平さん(学習院大教授・選考委員)
〈東日本大震災救援募金と特製ピンバッジ販売〉
集まった募金、69、052円とバッジ売上げ、184,500円を朝日新聞厚生文化事業団にお渡ししました。

<村上もとかさんらに手塚治虫文化賞を贈呈>

第15回手塚治虫文化賞を受賞した(前列左から)山科けいすけさん、永福一成さん、松本大洋さん、村上もとかさん、朴路美さん

 マンガ家の故手塚治虫さんの業績を記念する第15回手塚治虫文化賞(朝日新聞社主催)の贈呈式が5月27日、東京・築地の浜離宮朝日ホールであった。

 2作が選ばれたマンガ大賞の、「JIN―仁―」の村上もとかさん、「竹光侍」の松本大洋さんと永福一成さん、短編賞の山科けいすけさんが出席した。欠席した新生賞の荒川弘(ひろむ)さんの代理として、荒川さんの「鋼の錬金術師」のアニメで主役を演じる声優の朴路美(ぱく・ろみ)さんが出席。それぞれ鉄腕アトムのブロンズ像と賞金100万円が贈られた。

 村上さんは「マンガの無限の可能性を教わった手塚先生に、もっとがんばれと背中を押されたようです」、松本さんは「自分の力いっぱいで描けた作品なので光栄です」、永福さんは「このような栄誉を受けることができたのは松本大洋さんのおかげです」。朴さんは荒川さんのメッセージを代読、「子供の頃から持っているマンガ大好き!な心は変化させる事無く精進して行きたいです」と伝えた。山科さんは「自分に向いていない仕事で向いていない賞をいただいた、ちょっとマンガ的です」と喜びを語った。

 大賞受賞者と選考委員の対談もあり、一般からの招待客ら約340人が聴き入った。


<マンガ大賞受賞記念対談>

村上もとかさん(左)と永井豪さん

 幕末にタイムスリップした脳外科医が活躍する「JIN―仁―」の村上もとかさんは、同じマンガ家の永井豪さんと対談した。

 手塚治虫のマンガに字も読めない幼少期から夢中だったという村上さんは、幕末に医者が活躍する手塚の「陽だまりの樹」を挙げ、「手塚先生の大傑作と違った切り口を考え、タイムスリップという荒唐無稽な設定が浮かんだ」という。

 主人公の仁をめぐる2人のヒロインに話が及ぶと「ぼくの女性像の根本は手塚先生。小6の時、ウランちゃんを描くと同級生に喜ばれ、プラモデルと交換してもらった。初めて絵がお金になった体験」と思い出を披露。医療、歴史、SFを盛り込んだ受賞作。永井さんは「これからも無理やりな挑戦を」とたたえた。

左から、中条省平さん、松本大洋さん、永福一成さん

 江戸の街を舞台に、剣にかけてはすご腕の浪人を描いた「竹光侍」の松本大洋さんと、原作を担当した永福一成さんは、評論家の中条省平さんと鼎談した。  墨などを用いた実験的な画法を、妻でマンガ家の冬野さほさんと2人で仕上げたことを、中条さんが「驚異的」とうなると、松本さんは「家の片づけもできない。猫のえさをやるのが精いっぱい」と応じた。  そんな冗談が出るほど動物好きの松本さん。作中の人語を話す猫や敵役がめでるネズミは「原作にない大洋のオリジナル」と永福さん。中条さんは「日本美術の特徴であるアニミズム的な世界観が投影されている」と評した。