朝日新聞社 -手塚治虫文化賞 - The Tezuka Osamu Cultural Prize -

 

受賞作品

 ★ 第18回(2014年)★ 
【マンガ大賞】   『3月のライオン』(白泉社) 羽海野チカさん
【新 生 賞】    今日マチ子さん 『みつあみの神様』(集英社)など
【短 編 賞】   「オンノジ」(秋田書店)など 施川ユウキさん
【特 別 賞】   『まんが道』(中央公論新社など)、『愛…しりそめし頃に…』 藤子不二雄Ⓐฺさん
【読 者 賞】   『宇宙兄弟』(講談社) 小山宙哉さん
【→ノミネート作品はこちら】 【→選考結果はこちら】 【→贈呈式 (2014.05.30) のようすはこちら】

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■ マンガ大賞 ■ 「3月のライオン」羽海野チカさん 

 勝負の世界 生きる実感

「3月のライオン」

 事故で両親と妹を失い、逃避するように将棋に打ち込む高校生のプロ棋士・桐山零が主人公。美大生らの切ない恋愛模様を繊細に描いた「ハチミツとクローバー」から一変、男同士の厳しい勝負の世界に切り込む。

 「次の作品は全く違う題材にしないと、私は『ハチクロ』だけで終わっちゃうと思って、将棋を選んだ」

 年齢との闘いや故郷の期待などを背負う棋士らの群像劇でもある。零は、個性豊かな相手との対局や、親切な和菓子屋の3姉妹との触れ合いを通じ、ゆっくりと成長していく。

 

3月のライオン (c)羽海野チカ/白泉社

© 羽海野チカ/白泉社

 「マンガと将棋の世界って似ている。勝ち負けは全部自分ひとりの責任。プロになってからが長い。10代の若者と大御所が同じ場で競り合う。いろいろな棋士を描くのが楽しくなって、初めの予定より連載が長くなった」

 零を導く存在の島田八段がタイトル戦の真っ最中、胃の痛みにもだえて吐くセリフがある。「『生きてる』って気がするぜぇ」

 「私の実感です。締め切りが迫ると、食べず眠らず同じ姿勢で描き続ける。あちこち痛くなってくると、このセリフを口にします」

 生まれて初めて自分で買ったマンガが、手塚治虫の「リボンの騎士」だった。夢中になり、マンガが大好きになった。

 「締め切り直前に賞の知らせを聞いた。うれしくて泣きながら描く私に、編集者が1時間、ずっとティッシュを差し出し続けてくれました」


© 羽海野チカ/白泉社

《うみの ちか》

 東京都生まれ。2000年のデビュー作「ハチミツとクローバー」はアニメ、テレビドラマ、映画にもなり大ヒット。07年から「3月のライオン」連載中(既刊9巻)。

 


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■新生賞■ 「みつあみの神様」など 今日マチ子さん

 社会派 震災をフワリ

「みつあみの神様」

 「みつあみの神様」(集英社)、「U〈ユー〉」(太田出版)、「アノネ、」(秋田書店)、藤田貴大さんとの共作「mina-mo-no-gram」(同)の4作で、みずみずしい情感あふれる鮮烈な物語を展開し、賞に輝いた。

 「みつあみの神様」は、震災と原発事故の後を思わせる世界で、隔離されて生きる少女の物語。「アノネ、」は少年と少女の恋にヒトラーとアンネ・フランクを重ねる大胆な設定でホロコーストを描く。フワリとしたかわいい絵柄だが、題材は重い。

 

©今日マチ子/集英社

©今日マチ子/集英社

 「娯楽でありつつ社会と関わる作品が描きたい。手に負えない大きな題材を選んでしまい、その悪戦苦闘の跡が作品になる。描き終えたとき自分が一段階上に行ければいいな、と思う」

 マンガ誌のほか文芸誌など様々な媒体に作品を発表。「今は、毎日なにかしら締め切りがある状態」という売れっ子だ。

 マンガ家を志した時から、机の前に手塚治虫文化賞の特集紙面が張ってあるという。「憧れの賞でした。とてもうれしいです」


©今日マチ子

《きょう まちこ》

 東京都生まれ。ブログに発表した作品が2008年に書籍化されデビュー。「吉野北高校図書委員会」「ニンフ」などを連載中。

 

 


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■短編賞■ 「オンノジ」など 施川ユウキさん

 愛と希望の終末ライフ

「オンノジ」

 無人となった世界で女の子とフラミンゴが寄り添って生きる「オンノジ」(秋田書店)、孤独な男のさえない食事を描く「鬱(うつ)ごはん」(同)、本を読まずに読書家を気取りたい女子高生が主人公の「バーナード嬢曰(いわ)く。」(一迅社)。題材の異なるギャグ3作を昨年刊行し、賞を射止めた。

 「自分も、読書家に憧れるけど読むのはめんどくさい。グルメマンガはいつも『おいしくて幸せ!』と言うけど、日常の飯はたいてい味気ない。そんな思いをデフォルメして描いた」

 

© 施川ユウキ/秋田書店

© 施川ユウキ/秋田書店

 「オンノジ」は、連載開始直前に東日本大震災が起きたことが影響した。「ある日突然世界が変わってしまった、という自分の感覚をそのまま出した」

 元は中学生男子だったというフラミンゴと少女の奇妙な終末ライフは、やがて愛と希望の物語に。「結末を決めずにスタートしたけど、変わってしまった世界を受け入れた上で未来へ向かっていく、というイメージはずっと抱いていた。あの2人はその後どうしているかな、と想像すると、ちょっと切なくなりますね」



©施川ユウキ

《しかわ ゆうき》

 1977年、静岡県生まれ。「ハジメ」名義で原作を担当している「少年Y」(作画・とうじたつや)が連載中。

 

 


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■特別賞■ 「まんが道」「愛…しりそめし頃に…」 藤子不二雄Ⓐฺさん

 トキワ荘に集った青春群像

「愛…しりそめし頃に…」

 藤子不二雄Ⓐฺ(安孫子素雄)さんと藤子・F・不二雄(藤本弘)さん、「藤子不二雄」の名で活躍した2人をモデルにした自伝的作品「まんが道」(中央公論新社など)は、「マンガ家のバイブル」と呼ばれる。1970年の執筆開始から足かけ44年、続編「愛…しりそめし頃に…」を昨年完結させた。

 「これを読んでマンガ家を目指した、と若い人が言ってくれるのがうれしい」

 手塚治虫の「新宝島」に衝撃を受けた富山の少年2人がコンビでマンガ家となり、上京してトキワ荘で若き石ノ森章太郎、赤塚不二夫らと出会う。夢、情熱、挫折、友情……。素朴な独特のタッチでつづった青春群像劇は、「トキワ荘」の伝説と共に、永遠に色あせることはない。

© 藤子不二雄Ⓐฺ/中央公論新社

© 藤子不二雄Ⓐฺ/中央公論新社

 「手塚先生やトキワ荘の仲間との出会いが僕らの運命を変えた。人と出会うことで人は成長する。それが作品のテーマ。若い人も、人との出会いを大切にしてほしい」



藤子不二雄Ⓐฺ

《ふじこ ふじお えー》

  1934年、富山県生まれ。代表作は「怪物くん」「笑ゥせぇるすまん」など。「PARマンの情熱的な日々」などを連載中。

 

 

 


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■読者賞■ 「宇宙兄弟」 小山宙哉さん
「宇宙兄弟」

© 小山宙哉/講談社

 読者賞は、関係者による推薦の多かったマンガ20作を対象に、朝日新聞デジタル会員(無料会員を含む)にウェブで投票(1アドレスにつき2票)を募った。投票総数1631票のうち「宇宙兄弟」(講談社)が330票を獲得、1位となった。



▼読者賞 ノミネート作品リスト(敬称略 作品名50音順)▼


I【アイ】
作者:いがらしみきお
出版社:小学館

亜人
作者:桜井画門
出版社:講談社

暗殺教室
作者:松井優征
出版社:集英社

イノサン
作者:坂本眞一
出版社:集英社

宇宙兄弟
作者:小山宙哉
出版社:講談社


エリア51
作者:久正人
出版社:新潮社

俺物語!!
作画:アルコ
原作:河原和音
出版社:集英社

銀の匙
Silver Spoon
作者:荒川弘
出版社:小学館

聲の形
作者:大今良時
出版社:講談社

ゴルゴ13
作者:さいとう・たかを
出版社:リイド社


さよなら
タマちゃん
作者:武田一義
出版社:講談社

3月のライオン
作者:羽海野チカ
出版社:白泉社

失踪日記2
アル中病棟
作者:吾妻ひでお
出版社:イースト・プレス

重版出来!
作者:松田奈緒子
出版社:小学館

セトウツミ
作者:此元和津也
出版社:秋田書店


チェイサー
作者:コージィ城倉
出版社:小学館

羊の木
原作:山上たつひこ
作画:いがらしみきお
出版社:講談社

べしゃり暮らし
作者:森田まさのり
出版社:集英社

僕だけが
いない街
作者:三部けい
出版社:角川書店

弱虫ペダル
作者:渡辺航
出版社:秋田書店


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第15回(2011年)
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