手塚治虫文化賞

第1回特別賞

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特別賞

内記稔夫 「現代マンガ図書館の設立と運営に対して」

《受賞のことば》

 この度の手塚治虫文化賞の特別賞、それも栄えある第一回の賞を私如き者にくださるという事で、大変恐縮しています。

 思い起こせば1949年、私が小学5年生のときに出あった、手塚治虫氏の『ロストワールド(前世紀)』がマンガにのめり込むきっかけとなったのですが、それから48年後の今日、このような大変に名誉のある賞を頂けるなどとは、夢にも思っておらず、戸惑いと喜びが入り交じった複雑な心境です。でも何よりも永年の苦労が認めて頂けたのは本当に嬉しい限りです。勿論、大好きな手塚治虫氏のお名前が冠せられた賞ですから、どんな賞にも優って私には大きな喜びです。

 19年前の1978年、現代マンガ図書館の開館の際、手塚治虫氏がわざわざおいでになり、激励と労いの言葉をかけて下さったとき以来の嬉しさです。叶わぬ望みですが、手塚治虫氏ご自身の手から直に頂けたらどんなに良かったことだろうと思います。

 なお、今日までこうして現代マンガ図書館の運営が続けて来られたのも、一重に物心両面から支え、応援して下さった大勢の方々のお陰です。だからこの賞は私個人にではなく、当図書館に関わりのある皆さんへの賞と考え、私は単にこの方々の代表として頂いたに過ぎないのです。皆様本当に有難うございました。


《内記稔夫》

 ないき・としお。1937年、東京都生まれ。小学生の頃マンガと出あい、その魅力にとりつかれる。中学時代には少年誌に投稿して入選し、マンガ家を志したことも。55年、18歳で貸本店を開業。「マンガを資料として残したい」との思いが募り、78年、自らのコレクションをもとに「現代マンガ図書館」(新宿区早稲田鶴巻町565)を設立する。以後は館長として運営に当たり、新刊はもちろん過去の単行本や雑誌も収集。蔵書は14万冊におよび、他に例を見ない貴重な施設となっている。