手塚治虫文化賞

第3回マンガ大賞

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マンガ大賞

浦沢直樹 『MONSTER』(小学館)

《時代に新しい響きを》

 突然の受賞の知らせに、しばし呆然とし、そして徐々にその喜びが湧きあがり、同時にその賞の大きさに戸惑いを感じています。

 手塚治虫、幼い頃から憧れ、必死に絵を模写し、新作を夢に見たほど私にとってあまりにも特別な氏の名を冠した賞を受賞とは……。これもまた夢かしらと思ってしまうほどです。

 『MONSTER』は、私の他の作品同様、偉大な先達の遺産なくしては成立し得なかった作品だと思っています。膨大なその遺産が、まだまだ発展途上ですが、自分という触媒を通過することで、いかに時代に新しい響きをもって鳴らせるか。そんなことを試行錯誤しながら、日々描き続けています。

 二人三脚のように作り続けてきた担当編集氏、そしてハードな仕事をこなし続けるスタッフに心から感謝します。まだ未完のこの作品ですが、この受賞の喜びを支えに、よりドキドキ、ワクワクする作品にしていきたいと思いを新たにしています。


《浦沢直樹》

 うらさわ・なおき。1960年、東京都生まれ。82年に小学館ビッグコミック新人賞入選、翌年『BETA!!』でデビュー。『パイナップルARMY』(工藤かずや脚本)などの連載で人気を博し、柔道少女が主人公の大ヒット作『YAWARA!』で90年に第35回小学館漫画賞を受賞。続く『Happy!』でもスポーツものに取り組む一方、『MASTERキートン』(勝鹿北星脚本)などクールな大人の物語の描き手としても評価が高い。今回の受賞作『MONSTER』は95年から「ビッグコミックオリジナル」に連載中のサスペンスで、第11巻まで刊行。98年、第1回文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞を受賞している。

※受賞者プロフィールは当時のものです。