社長メッセージ

自由な発想で挑戦し続けます   朝日新聞社 代表取締役社長 渡辺 雅隆

朝日新聞社 代表取締役社長 渡辺 雅隆

 技術革新やグローバル化によって、私たちの暮らしはめまぐるしいスピードで変化し、社会は複雑になっています。多くの人が抱える問題や課題を解決するのは、一筋縄ではいきません。だからこそ、立場を越えて課題を共有し、さまざまな意見を出し合う「言論の広場(フォーラム)」としての新聞社の存在が、より重要になります。

 ともに考え、ともにつくるメディアへ――。朝日新聞社は2015年1月、課題の解決策をともに探り、より良い明日をつくるのに役立つ総合メディア企業へと進化することを誓いました。暮らしを豊かにする情報やサービスを届けるために、朝日新聞グループすべての力を注いでいます。




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次世代のメディア像を追求


 次世代のメディア像を追求する「未来メディアプロジェクト」では、議論の場を広げようと、記者と参加者が話し合うイベントを開いています。マサチューセッツ工科大学(MIT)メディアラボと共催する「未来メディア塾」、慶大大学院の協力で開くワークショップ「未来メディアキャンプ」、仕事帰りに気軽に参加できる小規模の「未来メディアカフェ」とメニューを増やしてきました。どれも人気が高く、斬新な意見やアイデアが飛び交います。2015年にはほかにも、メルケル独首相やマイクロソフト創業者のビル・ゲイツ氏が朝日新聞社で講演し、若者や識者と語り合いました。

 朝刊には、身近な問題や課題について考える「フォーラム面」をつくり、さまざまな見方や主張を紹介しています。ニュースサイト「朝日新聞デジタル」でも意見を募り、そこで浮かび上がった課題を新たなニュースとして発信します。日々の紙面づくりに社外の声を反映するため、独立した立場で記事を点検する「パブリックエディター」の制度も導入しました。日本の新聞では初めて、社外の識者をパブリックエディターとして迎え入れました。

 私たち自身も、社会的な課題の解決に役立つ新しい商品や事業の開発に乗り出しています。その推進役が、未来メディアプロジェクトの一環で新設した実験工房「メディアラボ」です。社員のアイデアを募り、発案者が自らの手でクラウドファンディング「A-port(エーポート)」や「朝日自分史」などの事業をスタートさせました。多様なサービスに欠かせない技術部門も強化しています。

 もちろん,もっとも大切にしているのは、1879年の創刊以来140年近く磨いてきたジャーナリズム、報道にかかわる事業です。言論の自由を貫き、国民の幸福に献身する。朝日新聞綱領に掲げた私たちの決意は、いつの時代も変わりません。

 かつてリクルート事件を追及した調査報道の伝統は、脈々と受け継がれています。優れた報道に贈られる新聞協会賞は、2014年度まで3年続けて受賞しました。国際理解に貢献した記者に贈られる「ボーン・上田記念国際記者賞」には、2010年以降だけで3人選ばれています。国内外で2千人を超える記者たちが、真実に肉薄しようと努力を重ねています。


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サービスで暮らしを豊かに


 はやくからインターネットでの発信にも力を入れ、「朝日新聞デジタル」は創設から20年たちました。スマートフォン向けのニュースサイトなど新しいサービスを次々と展開し、記者や取材班はソーシャルメディアで最新情報を発信しています。

 スポーツや芸術、文化の分野で手がけてきたイベントも、報道と並ぶ大事な事業です。高校野球や吹奏楽・合唱コンクール、「大英博物館展」や「鳥獣戯画」のような展覧会などは高い評価を受けています。これからも、若者やシニアなど世代ごとの関心に合わせた事業を立ち上げ、暮らしを豊かにするサービスを充実させます。

 情報やサービスを通じて一人ひとりがつながり、その輪の中にいつも朝日新聞社がいる――。それが、私たちのめざす姿です。これからも「新聞社とはこういうもの」といった既成概念にとらわれず、自由な発想で挑戦を続けます。

代表取締役社長 渡辺 雅隆