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人と環境に配慮 大阪に新ランドマーク 中之島フェスティバルタワー


フェスティバルタワー外観


フェスティバルホール大階段

 世界最高水準の文化芸術施設、最強の耐震性、すぐれたビジネスオフィスと新聞社本社機能、食とショッピングが集積するハイセンスな商業施設、そして人や環境への十分な配慮。これらすべてを備えた中之島フェスティバルタワーが2012年秋、ついに完成しました。高さ200mの圧倒的眺望を誇り、大阪市北区中之島のランドマークとして、タワー内で働く約6000人の人々はもちろん、多くの市民に親しまれています。2017年には西向かいに2棟目が完成する予定で、オフィスのほか、世界的な高級ラグジュアリーホテルを誘致。技術の粋を集めたツインタワーは、圧倒的な存在感を示します。

 朝日新聞社は1879(明治12)年に大阪で生まれ、6年後に中之島へ移転しました。127年後の本社移転です。タワーの玄関を入ると、新しいフェスティバルホールの大階段が目に飛び込んできます。1926年に1600席の朝日会館、1958年に2700席(閉館時)の先代フェスティバルホールが完成し、世界最高の芸術家を招く「大阪国際フェスティバル」を50年間開催してきました。「天から音が降り注ぐ」と賞された特性と席数を、新技術で継承しています。女性用トイレも3倍に増やしました。

 堂島川、土佐堀川の河川水を利用した地域冷暖房を導入し、CO2排出量を同規模ビルの6割に削減。大型賃貸ビルとしては大阪で初めて全館の照明をLED化しました。保育所も設け、緑化された癒やしの空間・13階スカイロビーを一般開放しています。廊下は車いすで行き来でき、多目的トイレを設け、大阪市内初のバリアフリー法適用を受けました。

 9~12階を占める朝日新聞大阪本社は、デスクや席を固定しないフリーアドレス制を導入。編集局内には朝日放送のサテライトスタジオもあり、新聞紙面はもちろん、デジタル、放送などを融合したメディアミックスの一大センターとなっています。


スカイロビー

 2棟目には災害時に被災者へ食料や水を提供する備蓄倉庫を設け、地下通路にエレベーターを設置し、京阪渡辺橋駅から地下鉄肥後橋駅までをバリアフリー化するほか、400台の公共駐輪場も設置します。

 朝日新聞社は、「教育」「環境」「医療・健康」を重視し、女性や高齢者、障がい者はもちろん、地球と市民すべてにやさしい姿勢をこれからも貫いていきます。

関連情報

新聞業界に広げる新システム カラープルーフ相互利用

 カラープルーフ(色校正刷り)を中日新聞社と相互利用する新たなシステムで2012年、新聞協会賞を受賞しました。カラープルーフシステムとは、印刷用色見本を全国の印刷工場へ届ける仕組みです。

 大量印刷する新聞紙面で、意図した色を再現するのは難しい課題です。各工場で輪転機を操作し、微妙な色味の調整で実現させています。その調整の手 本となる色見本を、各工場へ調整用の「正解」として表示するのがカラープルーフです。いまではパソコン画面上に色見本を表示し、見本刷りの用紙やインキの 無駄を省く環境に配慮したシステムとなっています。

 新聞業界では自社だけでなく他社の新聞を印刷する相互印刷が進んでいます。他社へ朝日新聞のカラー印刷を依頼する際にも、この色見本が必要です。 そこで、相互印刷を始めていた中日新聞社へ「カラープルーフの相互利用」を持ちかけました。相互利用することで、他社の色見本を自社の機器で表示して色調 整に使えるようになったのです。

 新聞社は従来、自社で開発した機材やシステムを他社に提供することがまれでした。特ダネを競い合う新聞には、宅配までの秘匿性が必要と考えられ、取材から印刷・配達までほぼ完全に自社内で統合された生産システムを基本としていたからです。

 今回のカラープルーフでは、特別な技術や手法ではなく標準的な技術だけでシステムを構築し、他の新聞社でも同様の仕組みを利用できるよう、設定やノウハウなども公開。積極的に他社へ働きかけ、業界全体へ広げていく点が評価されました。

印刷技術世界1位

 朝日新聞を主に印刷するグループ企業「(株)朝日プリンテック」は、新聞印刷のカラー品質を競う世界的なコンテスト「国際新聞カラー品質クラブ (INCQC=International Newspaper Color Quality Club)」の2012年大会において、世界1位の認定を受けました。2年に一度開かれる同コンテスト(世界新聞協会・国際新聞技術研究協会主催)は、欧 米では非常に権威のあるコンテストとして認知されています。

 朝日プリンテックは過去、2008年には築地工場が上位50社以内に入賞、2010年には川崎工場が世界2位の認定を受けています。今回、 2012年は堺工場が挑戦。同年1~3月の夕刊を再印刷した16ページフルカラーの紙面は、精緻な色の再現性を審査する数値評価や、カラー印刷時に使用す る4色の重ね合わせの精度など多岐にわたって審査され、全評価項目で減点なしの満点を獲得。参加した世界192紙の頂点、第1位にランクされました。

 朝日プリンテックはこの高度なカラー印刷技術を全国9カ所の工場で共有しています。「朝日新聞」はその記事内容のみならず、紙面品質においても世界最高水準の新聞を、これからも読者のみなさまへお届けします。

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