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オピニオン面

 オピニオン面は、東日本大震災後の2011年4月から、週5日は2ページ見開きで紙面の全面を使い、あとの2日も1ページ全面へと拡大しました。最も大きく変わった点は、これまで別の面にあった社説が加わったことです。

 見開きの左側ページは、専門家や当事者が論を掘り下げる「耕論」や大型インタビュー、対立する意見が向き合って議論する「争論」、世の中の風潮に異論を唱える「異議あり」、そして内外から寄せられる毎月数百通の投稿から選んだ「私の視点」などで構成されています。右ページに社説が入ったことで、言論フォーラムとしての機能がより高まりました。

 こうした紙面の作りは、欧米の多くの新聞で当たり前となっている「オプ・エド」にヒントを得たものです。これは「Opposite the Editorial Page」の略で、「社説の反対側にあるページ」という意味です。そこから転じて、社説と異なる意見をきちんと取り上げて言論の多様性を担保するページとなりました。

 「オプ・エド」のコンセプト自体は、1910年代から米国のいくつかの新聞が実験的に試していましたが、なかなか根付きませんでした。しかし、1970年9月、ニューヨーク・タイムズが導入に踏み切りました。その際、「オプ・エド」開設の目的として、同紙は「さまざまなテーマを議論の俎上に載せ、ニューヨーク・タイムズとは何のつながりも持たない著作家、思想家の新しい理論や思索を披露する大きなステージを設けることである」(「ニューヨーク・タイムズ あるメディアの権力と神話」から)と説明しています。

 ニューヨーク・タイムズは一般的には「リベラル」と見られがちですが、実際は保守的な論調の記事もバランスよく掲載されています。それは、紙面作りに「オプ・エド」の思想が徹底されているからなのです。

 ニューヨーク・タイムズ以降、ワシントン・ポスト、ウォールストリート・ジャーナル、フィナンシャル・タイムズなど欧米の一流紙がこぞってオプ・エド・ページを創設しました。

 米国では、「オプ・エド」に寄稿が掲載されることが若手政策研究者の登竜門の一つとされています。さらに、ハーバードやエールなど一流大学の教授でさえ、雇用契約書に「オプ・エド」への掲載義務が盛り込まれるケースがあるそうです。こうして、「オプ・エド」での質の高い議論が各国の指導者たちに極めて強い影響を与えるようになっていきました。

 朝日新聞のオピニオン面が目指しているのが、まさに「オプ・エド」の精神です。最近では各国首脳から「朝日新聞のオピニオン面で」という寄稿も珍しくなくなりました。また、意図的に少数意見も取り上げることで、記者の意識も変わりつつあります。社説に真っ向から異論を唱える「記者有論」も増えてきました。

 政治、経済、社会、すべてが行き詰まり、容易に解答を見いだせない時代です。だからこそオピニオン面の多様性が必要なのです。

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