環境報告書(概要)
東京湾の海の森公園の予定地で、1,000本を植樹した「グリーンウェイブ2010〜親子で学ぼう生物多様性」=2010年5月22日、東京都江東区で
4月1日の改正省エネ法の施行開始で始まった2010年度。その年度末の3月、日本にエネルギー政策の大転換を迫る未曽有の事態が勃発しました。いうまでもなく、「3・11」の東日本大震災、それに続く福島第一原発のメルトダウンです。
低炭素社会をめざして温室効果ガス排出量を20年までに1990年比で25%削減するという民主党政権の目標もいまや、国際的に広がる「脱原発」のうねりの中で大きく揺らいでいます。
「環境」を重視する市民の意識は、形を変えながらも、これまでにない高まりを見せています。地球環境を守るための責任ある対応が、メディアであり企業市民である朝日新聞社にも、より強く求められています。
朝日新聞社は2001年元日、新聞業界の先駆けとして「環境憲章」を定め、「環境先進企業となるべく、全社をあげて環境改善に努める」ことを宣言しました。そして、10年度までに全社の二酸化炭素排出量を01年度に比べて10%削減する自主計画を推進し、目標を大きく上回る23.2%の削減率を達成することができました。社内環境だけではなく、毎日お届けする紙面や事業、イベントでも、環境を最重点テーマの一つに位置づけて取り組んでいます。
CSRの一環として、朝日新聞社の2011年度の環境行動計画、10年度の環境報告をここに紹介し、さらなる環境対策を模索していきます。
※各項目の「詳細」はPDFファイルになっています。お読みになるためにはAdobe Readerが必要です。お持ちでない方は最新バージョンのAdobe Readerをダウンロードして下さい。
【環境報告】
CO2削減23.2%−目標大きく超えて計画修了
朝日新聞社と連結決算対象の印刷工場は地球温暖化対策のため、2010年度末までのCO2排出量を01年度比で10%削減する自主計画に取り組んできましたが、目標を大きく上回る23.2%のCO2削減を達成して計画最終年度を終えることができました。
改正省エネ法施行/全施設のエネルギーを把握
2010年4月に改正省エネ法が施行されました。従来は各本社や工場ごとに出していた国への省エネ定期報告書を「株式会社朝日新聞社」として一本化して提出することが義務づけられました。本社、工場だけでなく、総局、支局など社がエネルギーを管理するすべての出先の施設についても毎年、エネルギーの使用状況を把握する必要が出てきました。
輸送エネルギーの削減
2007年6月に本社は「特定荷主」の指定を受け、同年9月に「エネルギー使用の合理化の係る定期報告書」と「省エネ計画書」を近畿経済産業局に提出しました。その際に基準年とした06年度の新聞と出版物の「輸送量」は3,410万トンキロ(新聞約3,348万、出版物約62万トンキロ)で、そのエネルギー使用量は、原油換算で年間6,643klとなりました。同年の「輸送距離」43.2百万kmを変動の少ない「エネルギーの使用量と密接に係わる値」として採用し、「基準年のエネルギーの使用に係わる原単位」は、153.8(kl/百万km)でした。この値を使い、「新聞の鮮度を落とさず」に省エネ法の求めるように年平均で1%以上削減していく必要があります。そのため、10年度は09年度に引き続き次のような省エネ行動計画を立案しました。
なかなか進まぬ事務用紙の削減
朝日新聞社は、大量の新聞を印刷している新聞社として、普段から紙を大事に使うことを全社の環境行動計画の重点項目にしています。このため、回章の電子化や書類保存の電子システム活用など、日常業務のペーパーレス化を目指してきました。しかし、選挙報道や予期せぬ大規模災害報道など紙を大量に消費する新聞社特有の要因もあって、事務用紙の削減はなかなか進まないのが現状です。
梱包材もリサイクル
東京本社では、1999年から新聞梱包材の結束バンド(PPバンド)と梱包フィルム(PEフィルム)の回収を開始し、11年5月現在、栃木、群馬を除く首都圏エリアで実施しています。
ASAがきめ細かに古紙回収
東京本社管内では、環境問題への取り組みが一般化する追い風のなかで、CS推進の一環としての取り組みが浸透し、実施地域も拡大しました。2010年6月に販売局が専売ASAを対象に実施した古紙回収実態調査では、何らかの形で古紙を回収しているASAは、1,264店(91.4%)となり、前年比1.5ポイントダウンしています。そのうち、全戸回収を行っているASAは49.5%でした。
適正な古紙配合率めざし
新聞用紙の2010年度の購入実績は、朝日新聞全体で約61万トンでした。古紙配合率は、01年度に54%だったものが04年度には70% を超え、10年度は75%(加重平均)となりました。古紙配合率は製紙メーカーによって異なり、各社の平均配合率は王子製紙66%、日本製紙78%、大王製紙86%(いわき工場は100%)、丸住製紙80%などとなっています。
有害物質は適正管理で
本館リニューアル第3期工事の一環で2011年〜2013年度に受変電設備更新工事を予定しています。電気の幹線経路変更に伴って壁や天井の一部の貫通工事を予定していますが、これらの場所に耐火・吸音・断熱目的で吹付け材が塗布されています。そこで工事前の確認のために、地下4階から16階にかけて36箇所でサンプリングして、吹付け材のアスベストの含有有無を調査しました。結果はアスベスト含有量の規制対象0.1%を超える場所が26カ所ありました。各所ともアスベストが飛散している状況はなく安定していますが、アスベスト環境測定を実施して問題ないことも確認しました。また、安全衛生委員会や対象となる職場にも説明をしています。なおアスベスト環境測定は定期的に実施します。
ごみの再資源化
10年度の一般廃棄物は1,095トンでした。09年度に比べて34トンの減量でした。削減率は3.0%になります。しかし、CO2の排出量は1,029kgで、昨年比48kg(4.9%)増えてしまいました。これは、東日本大震災時の社内の業務対応で大量に購入された弁当の空容器などが仕分けできず、3月分の焼却処理量が増えたためです。
土曜「e」はグリーン電力で
東日本大震災、福島第一原発事故で、再生可能エネルギーが脚光を浴びています。
朝日新聞社は、地球温暖化対策の一環として、2003年7月から日本自然エネルギー株式会社と契約し、風力発電とバイオマス発電を合わせて年間約120万kWhのグリーン電力発電を委託しています。
【環境報道、活動】
「環境」は報道の最重要テーマ
環境報道を強化する方針を2007年に決めてから、報道・編成局は、環境を最重要なテーマの一つに位置づけて、積極的に取り組んでいます。
国際シンポで水問題に取り組む
2011年3月11日の東日本大震災は、日本人の暮らしや意識、企業活動などに多大な影響を及ぼしました。なかでも、福島第一原子力発電所の事故は、エネルギー問題や環境対策への根本的な見直しを迫ることになり、日本の国や社会が今後どのような方向に向かうのか、世界が注 目しています。
広告局の多彩な環境企画
2008 年の北海道洞爺湖サミット開催、09 年の気候変動枠組条約第15 回締約国会議(COP 15)開催を経て、企業における地球環境への配慮や意識が高まるなか、低炭素・循環型・自然共 生など未来の社会のあり方を問う、多様な広告表現の展開が続いている。とりわけ、10 年は名古 屋で生物多様性条約第10 回締約国会議(COP10)が開催されたことを契機に、「生物多様性」 について保全への取り組みや、企業活動そのものと「生物多様性」の関わりを明確に打ち出す 紙面が、かつてないほど掲載された。
