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ツイッター活用

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ツイッター活用で「原点回帰」

 朝日新聞はツイッターによる発信を「報道の一環」と位置づけ、積極的な活用に踏み出しました。アカウントは200を超え、地域面のある全都道府県に「総局アカウント」があり、専門分野を生かした「記者アカウント」は約90あります。

 こうしたなか、2013年の新年企画「ビリオメディア」は「ソーシャルメディアを使う」ことが先に決まり、後からテーマを選ぶアプローチで進みました。これまでと異なる手法に当初は戸惑いもあったようですが、「従来の方法では切り取れない『日常』もある」という思いをどこかに抱いていた記者たちは、「沖縄と米軍基地」「日韓問題」といった大きな設定で、手探りのまま取材を始めました。ツイッターで呼びかけると、フォロワーから「取材してほしい」という投稿も寄せられ、記者たちはそうした「普通の人」「日常にある悩み」に向き合っていきました。同時に、記者自身はどう感じているかもつぶやき続けた結果、記者の「顔」も見える報道となりました。

 12月の総選挙では、どんな政策に関心が集まり、どう変化するか、各政党はどう評価されているか、ツイッター上の「つぶやき」分析も試みました。正確な情勢を示すものではありませんが、「世間の空気の一端」を伝える、新たな取り組みの一歩です。

 最近では、事件や事故、災害などは居合わせた人々によって発信され、あっという間に広がり、記者がソーシャル上で知ることも増えています。一方で、拡散する情報は刺激的だったり、デマであったりすることもしばしばで、記者が取材して投げ込んだ情報がデマを塗り替えていく役割もあります。

 ソーシャルメディアは今や、電話やメールと同じで日々使われる「ツール」です。暮らしぶりを示す情報が数多くあり、その不安や疑問に耳を傾け問題を提示して解決の糸口をたぐることは、新聞社の「原点回帰」でもあります。読者とともによりよい社会を考えるため、さらなる活用を進めます。


つながる「集合知」の力

神田大介記者

 2010年から記者としてツイッターを活用しています。感じるのは、自分にない知識や発想とつながる「集合知」の力です。

 2012年12月、山梨県の中央道笹子トンネル上り線で天井が崩落し、9人が死亡する事故がありました。当時名古屋本社報道センターにいた私は、トンネルを管理する中日本高速道路本社(名古屋市)の会見場で持ち込んだパソコンをネットにつなぎ、「質問を代わりに尋ねます」とツイッターに書き込みました。

 返信は2日間に計208件。この間に4回あった会見で、そこから8問を尋ねました。特に印象に残ったのは「高速道路の利用者に心理面のケアは」という質問。同じ構造のトンネルは全国にあります。次の崩落がいつ起きるかもわからないなか、必要に迫られて使う人への対応をどう考えているのか。会見場の質問は崩落の原因追及に集中し、この視点は私にも、約30人いた他の記者にもありませんでした。「なぜ天井板は1トンを超える重さがあるのか」という問いにもはっとしました。数字をデータとして受け取り、その意味を考えることに頭がまわっていませんでした。

 原稿を書きながらツイッターも見るのは大変で、常にできるわけではありません。でも、会見は記者のものではなく、記事を通じて情報を知る読者のためのもの。会場の広さや質問時間の制限で、記者が代表として会見に出ているだけです。こんな手法は今後も広がっていくでしょう。

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