どくしょ応援団

本を読もう。何を読もう? 迷ったら「どくしょ応援団」へ。親子で、ひとりで、夢中になれる本との出会いがここに!

オーサー・ビジット

2005年度のレポート [中・高校編]

八街市立八街中学校(千葉)
講師:谷川俊太郎さん
講師プロフィール

授業風景

千葉県八街市立八街中学校(窪田州平校長、生徒764人)合唱部24人は、詩人の谷川俊太郎さんを、谷川さんの作品「二十億光年の孤独」(作曲・木下牧子)を歌って迎えた。

「ありがとう」と拍手で応えた谷川さんが「この詩に質問があればどうぞ」。さっそく手が挙がって「爛優螢蝓▲ルル、ハララ瓩辰董何ですか?」。「何だと思いましたか?」「火星語ですか?」「そう感じてくれればいいよ」
 「この詩を作ったときの気持ちは?」「この時17歳だった。50年以上前だから、覚えていないですねえ(笑い)」

逆に谷川さんが「20億光年って、なんだか分かります?」。ぽかんとする生徒。「えっ、分かんないで歌ってたの!?」。20億光年。当時考えられていた宇宙の大きさだ。17歳の谷川さんの中に、自分はどこにいるんだろう、私はだれなんだろうという疑問がわき上がってこの詩が生まれた。宇宙の中でぽつんと一人でいるような思いだったそうだ。
 「君たちぐらいの時に書いた詩がもうひとつある」と、谷川さんは「宿題」を朗読する。

授業風景

 「宿題」
 目をつぶっていると
 神様がみえた 
 うす目をあいたら
 神様は見えなくなった 
 はっきりと目をあいて
 神様は見えるか見えないか
 それが宿題

「これに音楽をつけると」と、息子の谷川賢作さん作曲の「宿題」が教室に流れる。「散文にとっては意味が大事だけれど、詩の場合には意味ばかりでなく、言葉が持つ音楽性狡瓦扠瓩大切。言葉の中には、もともとメロディックなものが隠されているんだ」

「音楽って、動物の鳴き声や小鳥のさえずりに根をおろしているのではないか」。そこで「ぐううー」というクジラの鳴き声をレコードで聞く。今度は平安時代の歌謡催馬楽からラブソング。「言葉を記憶するために節をつけたのが音楽の始まり、ともいえるね」

詩と音楽の親和性を探った授業。「僕の好きな歌を聞いて」と、ゴスペルの女王マヘリア・ジャクソンの「The Lord's Prayer」をかけると、谷川さんはもう一度自作を歌った。武満徹作曲の「昨日のしみ」。軽やかなリズムに乗って「希望は自分で探すだけ」と結んだ。

集合写真

授業を受けた富永春香さん(3年)

「谷川さんが歌ってくれて感激!上手でした」

担当の渡辺久美子先生

「私は音楽が専門なので、今日のお話はとても新鮮でした」

谷川さん

「僕の歌を歌ってくれていてうれしかった。上手だったよね」

(文・十文字みなみ/写真・御堂義乗)
(朝日新聞朝刊掲載2005/10/31)