トライライトノベルス細谷正充

流麗な世界にしばし酔う
- (1)一の倉裕一『ブルースカイ・シンドローム』
- 第4回トクマ・ノベルズEdge新人賞受賞作は、本格的なSFだ。大災厄を乗り越え、惑星改造した地球に、コロニーから帰還しようとする人類と、その裏に隠された真実が描かれる。さまざまなSFのアイデアが盛り込まれており、そこが大きな読みどころといえるだろう。もうちょっと主人公を能動的に活躍させてほしいなど、注文をつけたいところもあるが、楽しめる作品だ。(トクマ・ノベルズEdge・860円)
- 『ブルースカイ・シンドローム』

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- 著者:
- 一の倉裕一
- 出版社:
- トクマ・ノベルズEdge
- 価格:
- ¥860(税込)
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- (2)林譲治『ルナ・シューター1』
- SFをもうひとつ。こちらは月面を舞台に、地球外文明のヒューマノイド“ラミア”と人類の戦いが、迫真のタッチで綴(つづ)られている。重力が地球の6分の1しかない、月面での火器の使い方など、リアルなミリタリー描写が魅力的だ。また、次巻が待ち遠しくなる、衝撃的なラストも心憎い。(幻狼ファンタジアノベルス・945円)
- 『ルナ・シューター1』

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- 著者:
- 林譲治
- 出版社:
- 幻狼ファンタジアノベルス
- 価格:
- ¥945(税込)
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- (3)P・A・マキリップ『チェンジリング・シー』
- ファンタジーの名手であり、日本でもファンの多い、P・A・マキリップの長編が、ライトノベル・レーベルで出版された。美しい言葉と、幻想的な光景で紡がれるのは、海に心を捕らわれた人々の、苦悩と解放の物語だ。派手な展開はないのに、ひとつひとつの場面が、忘れがたい印象を残す。流麗な世界に、しばし酔いたいのである。(柘植めぐみ訳、小学館ルルル文庫・620円)
- 『チェンジリング・シー』

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- 著者:
- P・A・マキリップ
- 訳:
- 柘植めぐみ
- 出版社:
- 小学館ルルル文庫
- 価格:
- ¥620(税込)
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細谷正充 ほそや・まさみつ 文芸評論家。1963年埼玉県生まれ。時代小説やミステリー、ライトノベルスなどを中心に評論活動を展開。著書・編著書に『江戸の鈍感力』『宮本武蔵の「五輪書」が面白いほどわかる本』『松本清張を読む』『武士の本懐』など。



