ママ・パパ・祖父母向け、おすすめ本を紹介
蜜月10年「絵本の時間」 父母発、広がる世界
わが子と一緒に絵本を開くひととき、楽しんでいますか。育児真っ最中のバイオリニスト高嶋ちさ子さん、3人の子に10年以上にわたって読み聞かせをした教育学者の汐見稔幸さんに、「絵本の時間」を聞きました。また、家事に仕事に忙しいお母さん、子どもと向き合うのに戸惑うお父さん、孫と豊かな時間を過ごしたい祖父母のみなさん、それぞれに向けて、「きっと読み聞かせが楽しくなる本」を、絵本選びの達人3人に選んでもらいました。
- ママ編
- バイオリニスト・高嶋ちさ子さん「読むふりして作り話しも」
- 絵本ナビ編集長・磯崎園子さん「お母さん応援本を選びました」
- パパ編
- 教育学者・汐見稔幸さん「僕の子育て中の『武器』でした」
- ファザーリング・ジャパン代表理事・安藤哲也さん「お父さんの得意分野がいかせる本」
- 祖父母編
- 翻訳家・間崎ルリ子さん「親とは違う大人が登場する本」
- アスパラアンケート
- 読み聞かせ ママの24%が「毎日」
◆読むふりして作り話も バイオリニスト・高嶋ちさ子さん

私の読み聞かせは参考にならないかもしれません。読むふりをして、作り話をしていますから。
絵が中心の赤ちゃん絵本の頃は、長男を登場人物にして作り話。1歳を過ぎて、自分で「パオちゃん」シリーズ(なかがわみちこ作絵、PHP研究所)など持って来るようになると、「見て、ここに書いてあるよ。『おもちゃを 投げては いけません』」。ウソなんですけど。
このごろは長いお話もせがまれますが、さすがに2歳では集中力が続かない。そこで、絵に夢中になっている間にその先をバーッと読んで、短いお話に作り替えてしまう。「おお!」と大喜びしてくれるから、ありがたいですよね。
私にもかつて「育児書には『毎日読み聞かせを』とあるのに」と不安にかられた時期がありました。その時です。わが家では夫とベビーシッターさんと3人で、子育てについて毎日のようにミーティングをするんですが、2人から「子どもは一人ひとり違う」「得意なことを見つけてやるほうが大切だ」と、「メッタ斬(ぎ)り」にされたんですよ。それからは、読んであげられる時に読めばいいと。
今は夫が育児休職中で、私も週1日は仕事を入れないようにしているものの、自宅ではバイオリンの練習もあります。だから午前中ずーっと読んでいる日もあれば、まったく読めない日も。それでも長男が「読んで〜」と絵本を抱えて来るとうれしくって。私、こんなにも人に頼りにされた経験は、生まれて初めてなんです。だから、できるだけ期待にそえるよう頑張っちゃう!
最近ハマっているのは『わんぱくだんのかいていたんけん』(ゆきのゆみこ・上野与志作、末崎茂樹絵、ひさかたチャイルド)。細かく描かれた海底のイルカランドを見ながら、「イルカちゃん、コンサートだね」「『じぃじ』がいるね」と、これまた作り話ですが。
うちではいつも、生協で買った三つ折りマットレスの上で読むんです。このマットレスが、お昼寝ふとんになったり、「おうち」になったり。ここに子どもたちといると、「この可愛いさ1秒たりとも見逃せない!」と思いますね。
(聞き手・安里麻理子 写真・吉永考宏)
- 『わんぱくだんのかいていたんけん』

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- 作:
- ゆきのゆみこ・上野与志
- 絵:
- 末崎茂樹
- 出版社:
- ひさかたチャイルド
- 価格:
- ¥1,050(税込)
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1968年生まれ。コンサートは年間100回以上。テレビ出演も多い。2歳と0歳の男児ふたりの母。
◆「絵本ナビ」編集長・磯崎園子さん

どうしたら子どもと仲良くなれるだろう、自分の気持ちを切り替えられるだろう。そう思った時、いつも絵本に助けられました。子どもが笑顔になって、自分も楽しめて、じんとくる。そんなひとときがあると、また頑張れますよね。お母さんたちを応援しようと選んだ5冊です。
(聞き手・安里麻理子)
- 『ぎゅっ』
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お散歩中のおサルのジョジョくん、いろんな動物の親子が「ぎゅっ」と抱き合っている場面に出くわします。そのたびに、読んでいる私たち親子も思わず「ぎゅっ」。その笑顔も体温も丸ごと味わえます。(J・オールバラ作絵、徳間書店・1470円、1歳ぐらいから)

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- 作・絵:
- J・オールバラ
- 出版社:
- 徳間書店
- 価格:
- ¥1,470(税込)
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- 『14ひきのあさごはん』
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森に住む14匹のネズミの家族の物語。子どもって、服が汚れるのもかまわず、地面に寝っ転がったりしますよね。地面に近い視点から描かれたこの絵本の絵を見ていると、その気持ちがよく分かります。子どもには、草や木がこんなふうにキラキラして見えているんでしょうね。お散歩や外遊びの楽しい気分が、おうちでも味わえる一冊です。(いわむらかずお作、童心社・1260円、2歳ぐらいから)

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- 作:
- いわむらかずお
- 出版社:
- 童心社
- 価格:
- ¥1,260(税込)
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- 『11ぴきのねことへんなねこ』
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11匹のネコが、宇宙からきたネコと遭遇する、ちょっとシュールで笑えるお話です。「ニャゴニャゴ!」「ピカピカ!」と、大きな声で読んでみてください。ネコたちになりきったお母さんの様子に、子どももビックリ、大喜び! 親子で笑って、ストレス解消になりますよ。(馬場のぼる著、こぐま社・1260円、4歳ぐらいから)

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- 著者:
- 馬場のぼる
- 出版社:
- こぐま社
- 価格:
- ¥1,260(税込)
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- 『おばけのもり』
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神社のお祭りで買った「たこやき」がころころ。追いかけてたどり着いたのは、不思議な世界の入り口だった……。子どもたちの大好きなオバケがたくさん出てきます。ことばあそび絵本ですが、どのページにも、たこ焼きと赤い「てんぐイヌ」が隠れています。私より先に、子どもが気づきました。子どもは、絵本の楽しみ方を教えてくれる先生ですね。(石津ちひろ作、長谷川義史絵、小学館・1470円、4歳ぐらいから)

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- 作:
- 石津ちひろ
- 絵:
- 長谷川義史
- 出版社:
- 小学館
- 価格:
- ¥1,470(税込)
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- 『おこだでませんように』
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「ぼくは どないしたら おこられへんのやろう」。家でも学校でも、いつもしかられてばかりの「ぼく」が七夕にお願いしたのは……。「何でそんなことするの!」と日ごろ、口走ってしまいがちなお母さんはハッとさせられるのでは? 読んで思わず、涙ぐむお母さんもいます。(くすのきしげのり作、石井聖岳絵、小学館・1575円、小学校低学年ぐらいから)

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- 作:
- くすのきしげのり
- 絵:
- 石井聖岳
- 出版社:
- 小学館
- 価格:
- ¥1,575(税込)
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1974年生まれ。絵本を紹介・販売する情報サイト「絵本ナビ」のイソザキ編集長。6歳児の母でもある。



