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記者2600人。局内の壁をなくし、連係を高める
東京本社編集局
07年7月、自民党大敗となった参院選の結果を伝える紙面づくりに追われる編集局員たち

 数時間後に皆さんの家に届く朝刊を作り終えた未明の2時ごろ、刷り上がったばかりの新聞を開きながら、わいわいガヤガヤ話しあう声が、あちこちから聞こえます。1年365日、土曜も日曜も、そのフロアに人のいない日はありません。新聞が好きで記者の仕事が好き。そんな約2600人の仲間が日本全国、そして地球の裏側まで散らばり、日夜、ニュースを掘り起こしている。それが編集局という部署です。

 編集局は06年から07年にかけ、組織を大きく改革しました。長く続いた「社会部」「経済部」といった「部」の名前を捨て、「グループ」と呼ぶことにしました。もちろん、名前を変えただけではありません。新しく「医療」「労働」「教育」の各グループを設けたり、「経済」「政治」「外報」の三つの部を「産業・金融」「経済政策」「政治」「外交・国際」の4グループに作り直したりしました。

 時代の流れとともに、読者の皆さんの知りたいニュースは変わります。そして、ひとつひとつの出来事が起こる要因や背景は複雑になり、様々な角度から光を当てなくては実像が見えません。そうしたニーズに応えるため、グループの専門性を高めた上で、壁をなくして互いの連係を高めていこうという狙いが、この組織改革にはありました。

 例えば、07年、皆さんの関心を集めた「浮いた年金記録」の問題です。老後の収入がどうなるのか、一人一人の暮らしにとって、切実なテーマでした。同時に、政治の世界では安倍政権にダメージを与え、夏の参院選の一番の争点になりました。社会保障制度について深い知識と取材経験を持つ生活グループ、各政党の取り組みや思惑をウオッチし続けてきた政治グループ、財政や税制との関わりという面から問題を見つめる経済グループ。組織改革を生かし、お互いが情報を交換しながら、様々な切り口の記事を掲載することで、年金問題の本質をあぶり出していきました。

 組織が大きく変わった反面、実は記者一人一人の仕事の基本は、これまでも、これからも変わることはありません。

 事件や事故、戦争やテロの現場に走る。そこに身を置き、目をこらし、耳を澄ます。省庁・自治体の幹部や政治家と日夜接して情報を聞き出す。隠され、埋もれている証拠を見つけ出し、不正を暴く。いつ実るかわからない地道な作業もたくさんあります。しかし、パズルのピースを一片一片見つけ出すように、事実の断片を掘り起こすことが、すべての始まりです。そして、その断片を積み重ねることによって、真実を浮き彫りにしていく。そんな記事こそが皆さんに信頼され、共感されるのではないでしょうか。

 編集局にいる全員がそんな思いを胸に刻み、日々、走り回っています。

◆編集局の社員数
2007年9月1日現在
 
編集委員
東京
1,148
241
1,389
38
大阪
535
114
649
5
西部
272
30
302
2
名古屋
159
33
192
1
北海道
40
5
45
0
合計
2,154
423
2,577
46
◆東京編集局の組織
2007年9月1日現在
●外交・国際グループ ― 総局・支局(海外)
●政治グループ
●経済政策グループ
●産業・金融グループ
●社会グループ
●教育グループ
●地域報道グループ ― 総局・支局(国内)
●生活グループ
●労働グループ
●医療グループ
●科学グループ
●文化グループ
●スポーツグループ
●夕刊フィーチャー編集グループ
●be編集グループ
●オピニオン編集グループ
●声編集グループ
●編集センター
●写真センター
●デザインセンター
●校閲センター
●世論調査センター
●航空センター
●北海道報道センター ― 支局
●選挙事務局
●記事審査員会

――― 新紙面 ―――

「読みたい新聞」へ紙面改革

 お気づきでしょうか? 07年4月から、朝日新聞の紙面は大きく変わりました。「紙面を思い切って変えよう」。私たちが、そう決心した理由は二つの問いでした。「私たちは本当に読者が読みたい新聞、わかりやすい新聞を作っているだろうか」。

 そして、「インターネット時代に新聞はどんなニュースを発信したらいいのか」。だれでも「こんなことが知りたい」と思い立てば、パソコンや携帯電話でいつでもどこでも検索でき、簡単に情報が手に入る時代です。「だったら新聞はもういらないのか」。私たちは考えました。「新聞だからこそ伝えられるニュースがあるはずだ」。

 1年にわたる議論の末、それを形にしたのが新紙面です。

 まず、新聞の顔ともいえる朝刊の1面を変えました。朝は忙しくてゆっくり新聞を読む暇がありません。ならば、1分でその朝の主なニュースがわかるようにしよう。そうして生まれたのが、ニュースを短くまとめた大型のインデックスです。

 また、政治や経済など、前の日に起きた様々なニュースを載せていた2面と3面を大胆に変えました。「こま切れの記事を読んでもよくわからない」といった声をいただいたからです。重視したのは新聞の得意分野である、「深掘り」と「発信」です。

 2面は「きょうがわかる」をテーマに、たくさんのニュースの中からその日の一番を選び、多角的に掘り下げて背景を探る「時時刻刻」をメーンにしました。複雑な事柄をわかりやすく伝えるため、図表やグラフも充実しました。

 フクロウたちが記者に質問し、Q&A方式でニュースをやさしく解説する人気の連載「ニュースがわからん!」も第3社会面から2面に移しました。

 3面は「あしたを考える」がテーマです。隠れた問題を掘り起こす、これから起こる問題を先取りして「論争の出発点」になる面、そんな新聞ならではの面を目指しています。

 生活面も一新しました。日々の暮らしの不安を少しでも解消してくため、「あなたの安心」を連日掲載、男性の投稿欄「男のひといき」も新設しました。教育面はページを増やしました。大学面を設け、進学を控えた高校生にも役立つ紙面にしました。

 「読者と一緒に歩いていく新聞」を目指して、私たちは紙面を刷新しました。でも、改革はこれで終わりではありません。「読者が求める記事とは」「新聞だからこそ伝えられるニュースとは」。これからも、この二つの問いを自分たちに投げかけ、朝日新聞は変わり続けます。

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