ジャーナリスト学校

良質の報道を担うのは、知識・見識に優れ、たくましさも併せ持つ記者たちです。
そんな人材を育てるのが、ジャーナリスト学校の仕事です。

08年秋からスタートした月刊「Journalism」 新人記者研修の一こま=08年4月、東京本社で 研修で能登半島地震の被災地を訪ね、仮設住宅の横に座り、お年寄りを取材する新人記者=08年4月、石川県輪島市で

記者を育て、ジャーナリズムを強化

「現場を踏む」「経験を積む」ことで記者が育つのは、昔もいまも変わりません。しかし、IT化やグローバル化で新聞を取り巻く環境は大きく変わりました。記者の姿勢や報道のあり方に厳しい目が注がれてもいます。

 こうした変化を受け、「現場」「経験」を補完して人材育成をはかろうと2006年10月に発足したのが、ジャーナリスト学校(J学校)です。日本を代表する報道・言論機関として、改めて「人づくり」に取り組み、日本のジャーナリズム全体の強化を牽引しようと考えたのです。

 記者教育の中心は、若手記者への研修です。入社したばかりの新人記者は、ジャーナリズムの理念からパソコン操作、写真撮影といった実務や「記者の作法」まで、約1カ月間、体系的にみっちりと学びます。教師役は、経験豊かなベテラン記者や、社外から招いた専門家です。

「半年」「1年」、さらには「2年目」「3年目」と研修は続きます。

「地方自治体財政」「米軍基地取材」といったテーマ別研修や、「中堅」「地方総局デスク」など職能別の研修も数多く開いてきました。

 人材育成は朝日新聞の社内にとどまりません。

 08年に初めて公募で行った「学生1日ジャーナリスト体験」がその一例です。書類選考で選ばれた約160人が、取材・執筆を経験しました。この中の約20人はさらに8月、2週間の「学生夏季ジャーナリズム研修」に参加し、新人記者研修の「ミニ版」とでもいうべき訓練を受けました。

 また、全国の大学でジャーナリズムやメディアに関する講座を開き、J学校員らが教えています。

 ジャーナリズムに関するシンポジウム開催も仕事の一つです。08年春、東京で開いた「歴史和解のために」シンポは朝日新聞の大型連載の総仕上げで、中国、韓国、独、台湾からも専門家が参加しました。朝日新聞アジアネットワーク(AAN)部門は、国外から研究員を招いたり、国内外の識者が意見を交わす場を設けたりしています。

 こうした対外発信の要にと08年秋に「Journalism」という月刊誌を始めました。記者教育や大学での授業の教科書として使おうという狙いもあります。執筆では、社外のジャーナリストや研究者にも広く門戸を開いています。これも日本のジャーナリズム全体の活性化を願ってのことに他なりません。