JSEC 2005年

長時間の地道な調査からユニークな発想の研究までバラエティーに富み、レベルの高い研究が集結

 11月19日(土)、お台場(東京都江東区)の日本科学未来館で「第3回ジャパン・サイエンス&エンジニアリング・チャレンジ 高校生“科学技術”チャレンジ(JSEC2005)」の最終審査会が開催された。応募総数177のなかから、2回の審査を経て最終選考に残ったのは31の研究。基礎科学から応用技術まで、幅広い分野にわたる研究がこの日、高校生によってプレゼンテーションされ、白熱した審査が行われた。

 開会式ではJSEC名誉アドバイザー・小柴昌俊氏が挨拶。「賞を目指すより、本当に自分がやりたいことをやるべき」とのメッセージを送った。午前中は1回15分でプレゼンテーションと質疑応答を行う時間割制の審査。午後は審査委員が自由にブースを回る自由時間制の審査。さらに一般客への公開も行われた。夕方からは場所を品川プリンスホテル(東京都品川区)に移し、表彰式が開催された。栄えある文部科学大臣賞は幸喜未那子さん(沖縄県立開邦高等学校)の「もしどんどん川が汚れていったら〜10年間を通して〜」。今回、新たに設けられ、中国科学技術研修旅行に招待されるYKK特別賞とのダブル受賞となった。その他15の受賞者が発表され、2006年5月に米国インディアナ州インディアナポリスで開かれる国際学生フェア「ISEF」への出場権獲得者、現地の様子を報告するサイエンスリポーターも決まった。その後は交流会が開かれ、高校生たちはリラックスしたムードのなか、全国の若き研究者との歓談を楽しんだ。

 今年のJSECは、長年にわたる地道な調査を続けた力作や、高校生らしいユニークな発想の研究、さらに今まで比較的少なかった基礎研究など、バラエティーに富んだレベルの高い研究が勢揃い。審査員一同、喜びとともに最後まで頭を悩まされる審査会となった。


JSEC2005 受賞者

文部科学大臣賞

幸喜未那子 (沖縄県立開邦高等学校)
もしどんどん川が汚れていったら〜10年間を通して〜

最優秀賞

越野沙織 (私立南山高等学校女子部〈愛知県〉)
イラストロジックは地球を救う!

優秀賞

林裕美 (京都市立堀川高等学校)
赤土を利用したヒ素の除去

科学技術振興機構賞

笹部祐司、小林利也、奥本和寛 (広島県立大門高等学校)
液体や弦の弾性と音速

上記、文部科学大臣賞、最優秀賞、優秀賞、科学技術振興機構賞を受賞した高校生の中から、 3人(3組)が、2006年5月に米国インディアナポリスで開催されるISEFの出場者に選ばれます。


YKK賞

岡島良樹、森下耕平、鳥居孝成 (京都府立洛北高等学校)
可能か! 教科書原理の元素分析実験(リービッヒに思う)

アジレント・テクノロジー賞

平野敬純、西田純一、西林寛樹 (広島県立広島国泰寺高等学校)
水中の泡の運動 II 〜発泡スチロール球およびシミュレーションとの比較をとおして〜

花王賞

加藤慶太、佐々木広大、久保田直人 (岩手県立盛岡農業高等学校)
「絶滅危惧種アツモリソウの増殖に関する研究」〜生育環境の調査をもとにした培養支持体および通気培養法の開発〜

横河電機賞

西森実穂子、沖本亜由美 (山口県立厚狭高等学校)
メダカ卵の孵化に対する水草の効用

朝日新聞社賞

伊丹梨恵、岸和美、林真央 (岡山県立岡山一宮高等学校)
家庭用小型風力発電機の開発について〜風速と発電効率の関係〜

YKK特別賞

幸喜未那子 (沖縄県立開邦高等学校)
もしどんどん川が汚れていったら〜10年間を通して〜

アジレント・テクノロジースポンサーコンプリメンタリー賞

渡邉学志、山口紘平、武石浩紀、谷口哲也(教諭) (千葉市立千葉高等学校)
サボニウス型風車の最適な形について

横河電機スポンサーコンプリメンタリー賞

末栄彩夏、東友理、守山浩史、小林賢治、西岡登(教諭) (京都市立堀川高等学校)
(石川県立金沢泉丘高等学校)

審査委員奨励賞

河北純一、坂爪大輝、井上卓也 (千葉市立千葉高等学校)
カエルの体色変化〜可視光線領域の波長が及ぼす変化〜

審査委員奨励賞

坂東理史、木戸博貴、小川麗香、坪川美佐都 (福井県立高志高等学校)
福井県の低山ブナ林の森林構造とその動態について

審査委員奨励賞

田口達彦、木津諒、北村耕太 (慶應義塾高等学校〈神奈川県〉)
部分日食を利用した地球―月系の解析

JSEC2005ファイナリスト