JSEC2010

未知なるチャレンジが、JSECから世界の扉を開く

 12月11・12日、日本科学未来館(東京・お台場)で、JSEC2010の最終審査会と表彰式が開かれた。8回目となる今年も全国からたくさんの応募があり、論文審査で30組(10個人、20チーム)の出場者(ファイナリスト)が選ばれた。ファイナリストは研究内容をまとめたそれぞれのブースの前に立ち、コンピューターや実験装置などを使って、審査委員にプレゼンテーションした。

 研究分野は物理、化学、生物、地学、数学、動物学、環境科学、地球宇宙科学、医療健康科学、エンジニアリングと多岐にわたった。ちょっとした思いつきに着想を得たものから、学校の先輩から受け継いで発展させたもの、身近な素材を用いた実験から実用化を視野に入れたものまで、研究内容は幅広い。審査は研究内容だけでなく、独自性やコミュニケーション能力、チームワークなども評価の対象となる。そして何より、粗削りであっても、これまでにないチャレンジをしているかが大きなポイントとなる。

 11日のファイナリストによるプレゼンテーション審査終了後、夜遅くまで審査会議が行われた。ハイレベルな研究が多く、例年以上に審査は難航を極めた。今年は、世界各国から集まる高校生たちが自由研究を競い合う、科学技術の国際的祭典「Intel ISEF2011」により照準を合わせ、「どれだけ世界的にアピールできるか」という点が議論された。

 12日には表彰式が開かれ、3つのグランドアワード、4つの協賛社賞、特別協力社賞、3つの審査委員奨励賞が発表された。グランドアワードの文部科学大臣賞には、立命館高等学校の木村麻里さんの「折り紙を用いた多面体の切断・分割と空間の充填」。科学技術政策担当大臣賞には、鹿児島県立錦江湾高等学校の川添信忠さん、前畑大樹さん、叶瑠至亜さんの「桜島の噴火に伴う火山雷の発生メカニズムの解明を目指して」。科学技術振興機構賞には、早稲田大学高等学院の森川義仁さん、福本亮太さんの「『あがり』感を制御するバイオフィードバックシステムの構築」が選ばれた。

 名前を呼ばれた瞬間、思わず声を上げた生徒もいれば、歓喜のあまり壇上で涙ぐむ生徒も。ガッツポーズをする指導教諭の姿もあった。そして惜しくも受賞は逃したけれども、正々堂々と戦ったファイナリストたち。

 グランドアワードと協賛社賞を受賞したファイナリスト6組のうち3組が、2011年5月に米カリフォルニア州ロサンゼルスで開催されるIntel ISEF2011に参加し、日本代表として研究成果を披露する。

 JSECは序章にすぎない。彼らのストーリーは、ここからはじまる。JSECの審査会はくしくも、根岸英一さんと鈴木章さんがストックホルムでノーベル化学賞の受賞式に出席した日。日本が科学大国として大きな一歩を踏み出すことを期待したい。


グランドアワード JSEC2010ファイナリスト 審査委員総評