JSEC2010 グランドアワード・協賛社賞・特別協力者賞・審査委員奨励賞

グランドアワード

文部科学大臣賞

 小さいころから、折り紙が好きでした。ツルを折って開いてみたら、結晶のようなきれいな折り目ができていて、「これは数学と関係があるのでは」と思ったんです。この研究は2年間行っているのですが、折り紙で多面体のモデルをつくるのが大変で、ひとりで1日5時間折り続けることもありました。

 受賞式では最後まで名前が呼ばれず、「やっぱりダメだったな」と思ったとき、受賞のアナウンスが! 驚きとうれしさで、壇上で涙があふれてきました。

 折り紙という素材から、分子生物学など先端の科学に応用できることが評価されたのではないかと思います。家族や友達が支えてくれたからこそ、ひとりで研究を続けることができました。「やったで!」とみんなに伝えたい。研究をさらに発展させて、Intel ISEFでも発表したいです。


科学技術政策担当大臣賞

 鹿児島では桜島が噴火すると、雷が発生することがあり、家電が壊れたりする事例がありました。なぜ噴火すると雷が起こるのか、3年前から先輩たちがやっていた研究を引き継ぎました。

 自宅の屋根裏部屋にカメラを設置し、噴火した桜島を撮影。今年の夏は猛暑で、半裸で汗だくになりながらカメラを回しました。膨大な動画を見ながら解析する作業も大変でした。それでも、今までわからないことが解明できたときはみんなで盛り上がりました。

 プレゼンはまず自分たちが楽しもうと思い、みんなで元気に声を出して笑顔を忘れずにやりました。それだけで評価されたんじゃないかなと思う(笑)。ファイナリストたちのレベルは高いけれど、「気持ちで負けない」と、ひるまずに挑んだことがよかったと思います。


科学技術振興機構賞

 二人とも人前で「あがる」と、手に汗をかくタイプなんです。あがって失敗した経験は数知れず。それで二人で、あがらない方法を考えようと始めたのが、この研究です。

 学校で50人に実験してデータをとって色分けしたところ、不快な緊張は一定ではなく、変動することがわかりました。それを「青」と「赤」と色で見えるようにしたんです。青でも赤でもあがってしまうなら、中間のオレンジに近づければ「あがり」は解消できると思い、色であがりを抑える方法を思いつきました。

 実際のプレゼンは緊張し、なかなか「あがり」は制御できず、二人で落ち込みました。でもJSECに照準を合わせて研究してきて、すべてを出し切ったことには満足しています。Intel ISEFで発表することになったら、英語力を向上させてがんばります。

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協賛社賞

アジレント・テクノロジー賞


花王賞

 近くにホテイアオイが異常繁殖し、ほかの生き物が生息できなくなった池があります。高校の科学部では、どうすれば異常繁殖を防げるかを研究してきました。

 バイオリアクター(生体触媒を利用した浄化装置)をつくるのが大変で、試行錯誤を重ねました。完成したときは、みんなで「やった!」叫びました。ほんの3日前くらいのことです。実際に池で実験することも決まっていて、これからが楽しみです。

 授賞式で名前を呼ばれたとき、何が何だかわからなくて、思わず声を上げてしまいました。具体的な抑制のメカニズムを開発できたことが評価されたんだと思います。先生や先輩、一緒に研究してきた仲間に感謝したい。Intel ISEFで世界に向けて発表できたらうれしいです。


JFEスチール賞

 雨の日に傘を差して立っていると、風も吹いていないのに足や顔が意外に濡れるのはどうしてだろうって、そんな日常生活の疑問から始まった研究です。傘の形状や骨の本数を変えたモデルをいくつも作って、空中や水中で条件を変えながら3人で実験を繰り返しました。全部自分たちで考えながらやったので、実験の途中で別の方法を思いついてやり直すこともあり、時間がかかりました。

 自分たちが賞をとれるなんて思っていなかったので、この結果はとてもうれしいです。大きな機材も使わない、お金もかからない研究ですけど、手間はかけたのでそこを評価してもらえたのかなと思います。


朝日新聞社賞

 コロイド溶液の水滴がリング状になって落ちてくる過程をハイスピードカメラで撮影し、リングが広がる半径と時間との関係や、リングが壊れていく際の安定性の変化などを物理的に解析しました。実は僕たち3人のうち2人はJSECには3回目の出場で、今回は今まで以上に、初めて見る人にもわかりやすい発表をすることを心がけました。

 最初から特に決めていたわけではありませんが、1人は実験をリードし1人は理論を担当する、というように自然に役割分担ができていきました。そんなチームワークの良さが受賞につながったのだと思います。今はみんなでこの喜びを分かち合いたいです。

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特別協力者賞

インテル賞

 学校全体の取り組みが評価されて、うれしいです。生徒たちも審査委員奨励賞を受賞、大変でしたが私も楽しんで指導することができました。

 生徒に押しつけるのではなく、自分たちで考えさせることを心がけています。生徒同士で競わせ、やる気やアイデアを引き出していくのが私の役目。科学の楽しさを育てていきたい。

 Intel ISEFでは世界の科学コンテストの雰囲気や厳しさを体感し、それを持ち帰って生かしていきたいですね。


インテル株式会社代表取締役社長

世界を舞台におおきな挑戦を!

 世界の教育の潮流は、子供たちが自ら問題を見極め、自発的に考え、解決策を見つけだし、それを積極的に表現する力へと向かっている。日本の「生きる力」は、まさに世界の教育の新しい流れとかさなり、次世代を担う人材の育成に主眼が置かれたものだと感じる。インテルが提唱する「21世紀型スキル」(コミュニケーション力、思考・判断力、問題解決力、協働力、IT活用力)も同じ目標を目指している。グローバル社会で競う能力とスキルを備え、リーダーシップを発揮できる人材育成は、日本の教育界だけではなく、産業界にとっても重要な課題だ。インテルがメインスポンサーを務める、インテル国際学生科学フェア(Intel ISEF)は、世界各国で選び抜かれた高校生が、21世紀型スキルを駆使し、科学やテクノロジーの研究成果を競う世界最大の科学コンクールである。日本からも、過去に多くの優秀な生徒が選抜され、様々な賞を獲得している。来年も、自らの研究で世界の新たな未来を切り拓(ひら)き、科学の進歩に貢献できる“科学者の卵”たちが集まることを期待している。

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審査委員奨励賞

審査委員奨励賞

 成分にもよりますが、ガラスというのは意外に安定させるのが難しくて、自分たちで作ったガラスは2年ぐらいで溶けてしまいました。そんなとき修学旅行でたまたま正倉院のガラスを見て、1,200年も前のガラスがこんなにきれいなのはどうしてだろうと考えたことが研究のきっかけです。

 調べてみると、正倉院のガラスは融点が低いのに耐久性が高い非常にすぐれた組成であることがわかりました。今ほど高温を得ることもできなかった時代に、これを作った技術はすごいと思います。この研究でわかったことを応用して、いろいろな色ガラスも試作してみました。きれいな色が出てとても満足しています。


審査委員奨励賞

 海岸の風紋の研究をしているときに、偶然ガーネットをたくさん見つけて研究を始めました。画像解析ソフトを使って色別に種類をわけ、地質図と比較しながら起源を推定していくのですが、調べていくうちに多くのことがわかってどんどんおもしろくなっていきました。それにガーネットは、観察しているとずっと見入ってしまうぐらいきれいなので研究のしがいがあります。予想外の結果が出ることもありましたけど、そのたびにみんなで「どうしてだろう」と考えること自体がとても楽しかったです。

 今回、学校としてインテル賞をとり、僕たちをずっとサポートしてくださった先生とともに、喜びも2倍になりました。


審査委員奨励賞

 先輩たちの研究を受け継いだとき、まだ分析できていなかった点を見つけました。オトシブミの胸部後端の隆起を発見したんです。幼卵を採取し、1カ月以上かけて育て、観察しました。

 先行論文を読んでも納得できないことや疑問点があり、研究を続けました。そして新種を見つけ、「ツヤケシタマゴバチ」という和名をつけたんです。詳しくなるにつれ、どんどんおもしろくなってきました。標本づくりは本当に大変だったけれど、こうして受賞できたので報われました。

 人に伝えるのは難しいけれど、うなずいてもらえるとうれしい。審査委員の先生たちからは、自分たちでは当然だと思って説明しなかった部分を突っ込まれたりして、いい勉強になりました。