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(Myキャンパス)若者言葉で「田植え」とは 椙山女学園大・加藤ゼミ

6月15日付朝刊21ページ 教育1

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集まった言葉を分類するゼミ生ら=愛知県日進市

 「絶対領域」「自宅警備員」「PK」……。若者たちが使っているこれらの単語、どんな意味かわかるだろうか。ちんぷんかんぷんだ、という親の世代にもわかるようにと、椙山女学園大人間関係学部(愛知県日進市)の加藤主税(ちから)教授(65)=言語学=のゼミ生たちが、一冊の本にまとめる作業をしている。

 「『どや顔』は、どの分類に入る?」
 「言葉じゃね?」
 「体っていう分類を新しく作れば?」

 5月下旬、同大の教室。ゼミ生らは、加藤教授が集めた言葉を「ファッション」「ネット」「食べ物」などの項目に分類する作業をしていた。どや顔は、「どうだ!」という自慢げな顔のことで、お笑い芸人たちが使い始めた言葉だ。

 掲載する単語の候補は、加藤教授が受け持つ大人数の講義で学生から募った。「おじさん、おばさんの知らないモノ、コト」というテーマで、若者だけが使っていると思われる言葉や、習慣などを挙げたうえで、意味や用法も書いてもらった。集まったのは200語以上。たとえば――。

 <絶対領域> 萌(も)え用語の一つ。ボトムスとソックスの間から微妙にのぞく太ももの部分

 <自宅警備員> 引きこもりのこと。〈用法〉「昨日何してた?」「自宅警備員してたー」〈備考〉実際に病気や問題があるわけでなく、「家で誰ともかかわらずにいた」という意味で使われる

 <PK> パンツ食い込んでるの略。〈用法〉満員電車でPKになると困るよね〜〈備考〉恥ずかしい言葉だけど、友人に伝えたい時に使用できて便利である

 ゼミ生らはまず、集まったこれらの言葉を分野ごとに分類する。不良のふりをしているという意味の「ヤンつもり」は、認知度が低すぎるとしてボツになった。ネット用語など、ゼミ生でも一部しか知らない単語も多い。3年の近藤愛さん(20)は「声優さんのことを『中の人』って言うのは知らなかった。そういうのがわかるのがこのゼミの楽しいところ」と話す。

 今後、言葉の選定と分類が終われば、ゼミ生たちがインターネットなどで調べて、学生らが書いてきた解説を補強し、1項目およそ300字にまとめるという。1人約15項目ずつ割り振る。

 3年の橋本美沙さん(20)は「親と話していても無意識に使い分けてるかも。それでも、ツイッターとか言うと、『え、なになに?』って聞いてくる。どうせ使わないんだからいいでしょ、と思うんだけど、いちおう説明してます」。

 4年の山口靖恵さん(21)は「おじさんは、私たちがしゃべっている言葉の意味、知りたいと思うんですよね。別に私たちはいいんですけど。読んでもらえる気がします」と本の出来に自信を見せる。

 加藤教授は「ネット用語やファッション用語など、若者だけが知っている言葉が増えていると感じる。彼らも、積極的に大人に教えてあげたりはしない。若者文化を知る機会にしてもらえれば」と話している。  本は300部刷り、学内などに配るという。(小林恵士)

 ■学生が解説する若者言葉

 【田植え】
 意味:つけまつげを部分的につける
 用法:「今日の田植えうまくいった」「ほんとだ。時間かかるよね〜」
 備考:部分的なつけまをつけることが田植えのように見える

 【与謝野る】
 意味:ヘアスタイルが乱れている様子
 用法:すごい風だったから与謝野っちゃった
 備考:与謝野晶子の代表作「みだれ髪」から

 【おこ】
 意味:怒っていると軽い感じで言う
 用法:「おこです」「ゆかさんおこです」
 備考:ゆるい感じで自分が怒ったエピソードを話すことができる

 【出オチ】
 意味:登場した瞬間が笑いを取る状態
 用法:「この店、前菜はおいしかったのにイマイチ」「出オチだったね」
 備考:お笑い用語。最初クライマックスで後は痛々しい雰囲気に陥ること

 【ピン写】
 意味:1人でプリクラや写メを撮る
 用法:「あのモデルのピン写がブログに載ってたよ〜」

 【ソロ充】
 意味:1人で楽しむことができる人
 用法:「あの子いつも1人で買い物行くよね」「ソロ充じゃん」
 備考:類語→リア充、非リア充

 <注:「つけま」=つけまつげ、「リア充」=リアルな生活(実生活)が充実していること>


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