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マダニはどこで生(う)まれるの?
★京都府・長谷悠矢(はせゆうや)さん(小6)からの質問★
(朝日新聞社発行 2017年9月9日付be掲載)
■草(くさ)むらで生まれ、吸血(きゅうけつ)して成長(せいちょう)
◇ ののちゃん ◇
お友(とも)だちと山(やま)にハイキングに行(い)ったら、草(くさ)むらで足(あし)に何(なに)か小(ちい)さな虫(むし)のようなものがついていたの。すぐはらい落(お)としたけど、何(なん)だったのかな。
◆ 藤原先生 ◆ マダニかもしれないわね。ふだんは山や草むらなどにいるそうよ。イノシシやシカ、ネズミなどの野生(やせい)の動物(どうぶつ)の血(ち)を吸(す)って生(い)きているの。もちろん人(ひと)の血も吸うの。もし食(く)いつかれたら、一週間(いっしゅうかん)くらい皮膚(ひふ)について、だんだん大(おお)きくなるけれど、気(き)づかないことも多(おお)いらしい。たくさん血を吸うとぽろっと落ちてしまうけど、大きいものになると、1、2センチになることもあるそうよ。
◇ のの ◇
ずっと生き続(つづ)けるのかな。
◆ 先生 ◆
卵(たまご)からかえって血を吸って満腹(まんぷく)になると、下(した)に落ちて脱皮(だっぴ)することを繰(く)り返(かえ)して、少(すこ)しずつ大きくなるそうよ。脱皮のときは草むらなどにいるので、飼(か)い犬(いぬ)や飼い猫(ねこ)にくっついて、家(いえ)に入(はい)り込(こ)むこともあるというわ。血を吸うときに、人に病気(びょうき)をうつすこともあるのよ。
◇ のの ◇
なんだかこわい。
◆ 先生 ◆
病気がうつると、すぐには症状(しょうじょう)が出ないけれど、高(たか)い熱(ねつ)が何日(なんにち)も続(つづ)いたり、赤(あか)い斑点(はんてん)や吐(は)いたり下痢(げり)したりすることもあるそうだわ。病気の種類(しゅるい)によっては、効(き)き目(め)のある薬(くすり)がないこともあるの。
◇ のの ◇
来週(らいしゅう)もキャンプに行くの。
◆ 先生 ◆
とにかく、半袖(はんそで)や半ズボンといった肌(はだ)が出(で)る服装(ふくそう)は避(さ)けるのが大切(たいせつ)よ。キャンプやハイキングで山に入るのなら、長(なが)袖や長ズボンで、首(くび)はタオルやハイネックのシャツで隠(かく)すようにしてね。シャツの袖やズボンのすそは、軍手(ぐんて)や靴下(くつした)のなかに入(い)れると、外(そと)からマダニが入り込むのを防(ふせ)げるはずよ。虫(むし)よけのスプレーを使(つか)うことも忘(わす)れないで。
◇ のの ◇
最初(さいしょ)から家にいるダニもいるのかしら。
◆ 先生 ◆
もちろん、ダニは家の中(なか)にもいるわ。布団(ふとん)やじゅうたんで生息(せいそく)しているヒョウヒダニというダニがよく知(し)られているそうなの。1ミリにも満(み)たない大きさで、人のふけや、食(た)べ物(もの)のかけらなどを食べて増(ふ)えているのよ。
◇ のの ◇
病気はうつさないの?
◆ 先生 ◆
ぜんそくや鼻炎(びえん)の原因(げんいん)になると考(かんが)えられているけど、人に病気をうつしたり、皮膚(ひふ)を刺(さ)したりすることはないそうよ。
◇ のの ◇
イエダニというダニもいるってお母(かあ)さんに聞(き)いたわ。
◆ 先生 ◆
これも1ミリにも満たない小(ちい)さいダニよ。天井裏(てんじょううら)や下水道(げすいどう)にいるドブネズミにとりついて血を吸って生きているの。それが家の中に入り込んで人の血を吸ったりするそうよ。こちらも病気をうつしたりすることはないけれど、血を吸われるとかゆくなって赤(あか)く腫(は)れたりするわ。被害(ひがい)は夏(なつ)に多(おお)いそうよ。
(取材協力 国立感染症研究所の沢辺京子さん、兵庫医科大学皮膚科学の夏秋優さん、 構成=服部尚)
◇
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