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 火山(かざん)ガスってどうして怖(こわ)いの?
 ★長野県・小林太喜男(こばやしたきお)さん(72)からの質問★
          (朝日新聞社発行 2018年 6月16日付be掲載)


火山ガスが出るしくみ/有毒な火山ガスの特徴

 ■有毒(ゆうどく)で過去(かこ)には死者(ししゃ)も出(で)ている

 ◆ 藤原先生 ◆
 東京都(とうきょうと)の三宅島(みやけじま)を知(し)っている?

 ◇ ののちゃん ◇
 うん。火山(かざん)で有名(ゆうめい)な島(しま)でしょ。

 ◆ 先生 ◆
 山頂(さんちょう)の火口周辺(かこうしゅうへん)に来春(らいしゅん)、19年(ねん)ぶりに観光客(かんこうきゃく)を入(い)れることの検討(けんとう)を始(はじ)めるんだって。

 ◇ のの ◇
 へえ。どうしてそんなに長(なが)い間(あいだ)、山頂に行(い)けなかったの?

 ◆ 先生 ◆
 三宅島は2000年に噴火(ふんか)して、その後(ご)、噴火は収(おさ)まったけれど、火口から火山ガスの放出(ほうしゅつ)が続(つづ)いていたからよ。

 ◇ のの ◇
 噴火が止(と)まってもガスが出(で)ているとは不思議(ふしぎ)だね。

 ◆ 先生 ◆
 火山ガスは、地下(ちか)のマグマに溶(と)けているさまざまな種類(しゅるい)の気体(きたい)が抜(ぬ)け出たもの。噴火するときやマグマが上昇(じょうしょう)したときにガスは大量(たいりょう)に放出され、三宅島では一時(いちじ)、全島民(ぜんとうみん)が島外(とうがい)に避難(ひなん)したわ。時間(じかん)が経(た)って安全(あんぜん)な程度(ていど)まで減(へ)ったのよ。

 ◇ のの ◇
 火山ガスはなぜ危(あぶ)ないの?

 ◆ 先生 ◆
 火山ガスはほとんどが水蒸気(すいじょうき)だけれど、有毒(ゆうどく)な成分(せいぶん)もあるの。三宅島のようにマグマが噴出(ふんしゅつ)する火山では、SO2(エスオーツー)(二酸化硫黄〈にさんかいおう〉)というガスが出るの。せき込(こ)んでしまうようなピリピリした刺激臭(しげきしゅう)が特徴(とくちょう)で、ぜんそくなどの持病(じびょう)がある人(ひと)は注意(ちゅうい)が必要(ひつよう)ね。熊本県(くまもとけん)の阿蘇山(あそさん)や、長野(ながの)・群馬(ぐんま)県境(けんきょう)の浅間山(あさまやま)などの火山もSO2を出(だ)すのよ。

 ◇ のの ◇
 ガスの量などはちゃんと調(しら)べているのかな?

 ◆ 先生 ◆
 気象庁(きしょうちょう)は、活動(かつどう)が活発(かっぱつ)な火山で、1日(にち)のガスの放出量を測(はか)っている。放出量を調べれば火山活動が活発かどうかがわかるの。一方(いっぽう)で、健康被害(けんこうひがい)があるかどうかに重要(じゅうよう)なのはガスの濃度(のうど)。観光地(かんこうち)では自治体(じちたい)などが検知器(けんちき)を置(お)いて、中毒(ちゅうどく)を起(お)こすような値(あたい)になれば立(た)ち入りを規制(きせい)するところが多(おお)いの。

 ◇ のの ◇
 日本(にほん)は火山が多いから備(そな)えが大事(だいじ)だね。噴気(ふんき)がもくもく出ているところで、卵(たまご)の腐(くさ)ったような臭(にお)いをかいだことがあるよ。火口ではなかったけれどあれも火山ガス?

 ◆ 先生 ◆
 H2S(エッチツーエス)(硫化水素〈りゅうかすいそ〉)といって、火山ガスの主(おも)な成分のひとつだね。SO2を放出するしくみとは異(こと)なり、マグマから抜けたガスが途中(とちゅう)で地下水(ちかすい)などに触(ふ)れたとき、SO2は水(みず)に溶け、水に溶けにくいH2Sや無臭(むしゅう)のCO2(シーオーツー)(二酸化炭素〈にさんかたんそ〉)が地上(ちじょう)で噴出するの。「地獄谷(じごくだに)」と呼ばれているような噴気地帯(ちたい)もたくさんあるみたい。

 ◇ のの ◇
 SO2よりは安全(あんぜん)なの?

 ◆ 先生 ◆
 それは違(ちが)うよ。どれも過去(かこ)には死者(ししゃ)が出る事故(じこ)が起(お)きている。H2SやCO2だと、噴気が見(み)えずにガスだけ出ている場合(ばあい)や、くぼみや雪(ゆき)の下(した)にガスがたまっていることもあるの。とっても怖(こわ)いから、噴気や臭いがなくても、立ち入りが禁(きん)じられているところへは絶対(ぜったい)に入(はい)っちゃだめよ。

(取材協力=上智大教授・木川田喜一さん、気象庁、東京都三宅村、構成=小林舞子)

        ◇

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