
●虫(むし)を誘(さそ)い花粉(かふん)を運(はこ)んでもらうため
◇ののちゃん 秋(あき)の花(はな)が咲(さ)き始(はじ)めたね。花にはどうしていろいろな色(いろ)があるの。
◆藤原先生 植物(しょくぶつ)は何(なん)のために花を咲かせるのかな。次(つぎ)の子孫(しそん)を残(のこ)すためでしょ。花のおしべの花粉(かふん)がめしべにつくと種(たね)ができるのね。花は約(やく)1億(おく)3千万年前(ぜんまんねんまえ)に生(う)まれ、はじめは花粉を風(かぜ)で飛(と)ばしていたようね。やがて昆虫(こんちゅう)が現(あらわ)れて花を訪(おとず)れるようになると、体(からだ)に花粉をつけて、もっと効率(こうりつ)よく運(はこ)んでもらえるようになったのよ。
◇ののちゃん じゃあ、花の色は虫(むし)を誘(さそ)うため?
◆先生 そうね。たまたま色の目立(めだ)つ花が現れ、虫がよく来(き)てくれるようになると、その花はよく繁殖(はんしょく)して増(ふ)えていくでしょう。そんな繰(く)り返(かえ)しによって、いろんな色の花ができたんじゃないかな。虫が好(この)む色で、虫との結(むす)びつきを強(つよ)めた花もあるみたい。
◇ののちゃん どんな虫が、どんな色を好(す)きなの。
◆先生 チョウは赤(あか)を好むといわれるわ。ハチは紫(むらさき)が好きだし、人(ひと)には見(み)えない紫外線(しがいせん)も見えるらしいの。ところが、白(しろ)色や黄(き)色の花は特定(とくてい)の虫との結びつきは薄(うす)いんだって。どんな虫でも歓迎(かんげい)するということね。
◇ののちゃん どういうこと?
◆先生 たとえば春先(はるさき)の花は、フクジュソウ、マンサク、レンギョウ……って黄色い花が多いでしょう。まだ虫が少ない時期(じき)だから、来てくれるならどんな虫でもうれしいんじゃないかな。
◇ののちゃん へえ。ところで花の色ってどんなふうにしてできるのかな。
◆先生 花びらのなかにつくりだされるさまざまな色素(しきそ)のおかげよ。よく聞(き)くのは赤や紫などのアントシアニンと、黄やだいだいのカロテノイドかな。白色の花にはフラボンやフラボノールが含(ふく)まれ、褐色(かっしょく)や黒(くろ)っぽい色の花にはたくさんのアントシアニンが入(はい)っていることが多(おお)いそうよ。
◇ののちゃん ふーん。
◆先生 進化(しんか)で水中(すいちゅう)から陸上(りくじょう)へ進出(しんしゅつ)した植物は、有害(ゆうがい)な紫外線から身(み)を守(まも)るためにフラボノイドという物質(ぶっしつ)をつくり始めたらしいわ。それを花の色としても使(つか)うようになったの。
◇ののちゃん 夏休(なつやす)みに観察(かんさつ)したアサガオの花は、つぼみの時(とき)は赤っぽかったのに花になったら青(あお)かったよ。
◆先生 花の中が酸性(さんせい)かアルカリ性かということも、青い花には関係(かんけい)があるの。アサガオは、花が開くときにアルカリ性が強まって青みが増(ま)すことが知られているわ。つぼみの間(あいだ)や花がしぼみ出すころには酸性になって、赤っぽく見えるのよ。
◇ののちゃん そうなんだ。
◆先生 アサガオみたいに庭(にわ)で育(そだ)てたり花屋(はなや)で売(う)られたりする花には、人が工夫(くふう)して生(う)み出(だ)したものもあるの。
◇ののちゃん 青いバラができたという話(はなし)も聞いたよ。
◆先生 真(ま)っ青(さお)とは言えないけれど、遺伝子(いでんし)組(く)み換(か)えという技術(ぎじゅつ)でバラになかった青い色素をつくるようにしたの。珍(めずら)しい花を見たいという人の気持(きも)ちも、花の色を増やすのに一役(ひとやく)買(か)っているのね。
(取材協力=岩科司・国立科学博物館植物研究部グループ長、星野敦・基礎生物学研究所助教、構成=米山正寛)
◆調べてみよう!
(1)チューリップやバラには、いろんな色(いろ)の花(はな)が咲(さ)くよ。どんな色があるのかな。
(2)夜(よる)に咲く花の色は、どんな特徴(とくちょう)をもっているかな。
(3)食(た)べ物(もの)や染(そ)め物に使(つか)われる植物(しょくぶつ)色素(しきそ)があるよ。どんなものかな。
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