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ヘリウムでなぜ声が変になる?

 京都府・梅原悠磨(うめはらゆうま)さん(高1)ほかからの質問

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 ●音(おと)の速(はや)さが変(か)わるためよ

 ◇ののちゃん ヘンセー、クォンニヂワ〜。

 ◆藤原先生 どうしたの、アヒルみたいな声出(こえだ)して。わかった! 声変(が)わりガスを吸(す)ったのね。

 ◇ののちゃん ヒヒヒ、ばれちゃった。お祭(まつり)りで買(か)ってもらったんだよ。でも何(なん)で声が変わるの?

 ◆先生 ガスの特徴(とくちょう)と声が出(で)る仕組(しく)みが関係(かんけい)しているのよ。声が出る仕組みは前(まえ)に話(はな)したよね。

 ◇ののちゃん のどの奥(おく)にある膜(まく)を震(ふる)わせているんだっけ。

 ◆先生 よく覚(おぼ)えていたわね。肺(はい)から出た空気(くうき)が声帯(せいたい)という膜を震わせて音(おと)が出るの。その声帯から口(くち)の間(あいだ)に、声道(せいどう)と呼(よ)ばれる空間(くうかん)があって、そのなかで音の波(なみ)が大(おお)きくなったり打(う)ち消(け)し合(あ)ったりして、響(ひび)き合うことで声となっているのよ。

 ◇ののちゃん 声って、高(たか)い声とか低(ひく)い声とかあるよね。

 ◆先生 声道は長(なが)さや形(かたち)が人(ひと)それぞれで、響きやすい音の高さが決(き)まっているの。体(からだ)の大きい男性(だんせい)は声道が長(なが)く、低い音が響きやすいので低い声になるし、子(こ)どもや女性(じょせい)は声道が短(みじか)いので、高い音がよく響いて高い声になるのよ。ところで、声変わりガスの正体(しょうたい)がなんだかは知(し)っているかな?

 ◇ののちゃん 缶(かん)には「ヘリウム」って書(か)いてあるよ。

 ◆先生 そう、そのヘリウムというガスは、空気よりずっと軽(かる)い気体(きたい)なの。軽いから風船(ふうせん)や飛行船(ひこうせん)などを浮(う)かばすのに、よく使(つか)われているの。普通(ふつう)の空気は、酸素(さんそ)と窒素(ちっそ)が1対(たい)4の割合(わりあい)で含(ふく)まれているんだけど、声変わりガスには、酸素とヘリウムが1対4で入(はい)っているのよ。

 ◇ののちゃん でも、そのヘリウムで声が変わるのはなんでかな?

 ◆先生 音の伝(つた)わる速(はや)さが変(か)わるためよ。普通の空気の中(なか)では音は1秒間(びょうかん)に約(やく)340メートルの速さで進(すす)むの。だけど軽いヘリウムの中だと、音は約3倍(ばい)の速さで進めるのね。声変わりガスを吸うと肺の中のヘリウムが多くなって、声道の中を伝わる音の速さも速くなるの。音の伝わる速さが変わると、同(おな)じ声道でも、その中で響きやすい音の高さが変わるというわけね。だから、声が高く変わって聞こえるのよ。

 ◇ののちゃん へ〜。じゃあ、人ではなくて、動物(どうぶつ)などでもヘリウムを使うと声が変わるのかな。

 ◆先生 人と同じように、声帯を震わせてのどで共鳴(きょうめい)させるような仕組みなら、イヌでもネコでも、鳥(とり)だって声変わりするわよ。楽器でも、その中で音を響かせて大きくする管楽器(かんがっき)などは、ヘリウムの中で演奏(えんそう)すると音が変わってしまうの。ただ、風船用(よう)のヘリウムガスは、なかに酸素が含まれていないので、そのまま吸うと息(いき)ができなくなって死(し)んでしまうこともあるの。遊(あそ)ぶ時(とき)には、酸素の入った専用(せんよう)のものを使ってね。

 (取材協力=沖花彰・京都教育大教授、構成=香取啓介)

 ●調べてみよう!

 (1)細長(ほそなが)いコップに水(みず)を注(そそ)いでいくと音はどんな風(ふう)に変わるかな?

 (2)色(いろ)んな生(い)き物(もの)の鳴(な)き声を比(くら)べてみよう。体の大きさで変わるかな?

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