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臓器に一つのと、二つのがあるのは?

 滋賀県・向川明子(むかいがわあきこ)さん(54)からの質問(朝日新聞社発行 2011年2月5日付be)

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 ●体(からだ)の真(ま)ん中(なか)か、左右(さゆう)にあるかね

 ◇ののちゃん ヒトの体(からだ)には、口や心臓(しんぞう)、胃(い)、腸(ちょう)、肝臓(かんぞう)みたいに一つだけあるものと、目や耳、肺(はい)、お乳(ちち)、腎臓(じんぞう)のように二つあるものがあるね。なぜ? いっそみんな二つずつあれば、病気(びょうき)や事故(じこ)で一つがダメになっても助(たす)かるのに。

 ◆藤原先生 その疑問(ぎもん)をとくカギは、体がほぼ左右対称(たいしょう)にできていることにあるわ。体の左側(がわ)と右側のパターンが、お互いに鏡(かがみ)に映(うつ)したようになっているでしょう。

 ◇ののちゃん ヒトの体の特徴(とくちょう)?

 ◆先生 イヌやトリ、サカナ、エビ、昆虫(こんちゅう)なども左右対称ね。一方、クラゲやヒトデみたいに、ほぼ同じパターンがぐるりと集まった体形の動物もいるね。でも、体形に似たパターンの繰り返しがまったくない動物はごくわずかよ。

 ◇ののちゃん なぜかな?

 ◆先生 建物(たてもの)を建てる場合(ばあい)もそうだけど、同じパターンをくり返すほうが効率(こうりつ)よく設計(せっけい)したり、つくったりできるからじゃないかな。

 ◇ののちゃん 左右対称な体だと、臓器(ぞうき)も左右二つが基本(きほん)なの?

 ◆先生 そうね。ただ、体の中心軸(じく)にある臓器は一つずつよ。脳(のう)―脊髄(せきずい)、それから、口―食道(しょくどう)―胃―腸―肛門(こうもん)と続(つづ)く消化管(しょうかかん)も。

 ◇ののちゃん なるほどね。

 ◆先生 そして、中心軸(ちゅうしんじく)にある臓器からいろいろな「膨(ふく)らみ」が伸(の)びるのよ。脳から伸び出した一対(つい)の膨らみが両(りょう)目になり、消化管の膨らみからは肝臓や膵臓(すいぞう)ができるの。膵臓ははじめ二つの膨らみができ、それが後でくっついて一つになるんだけど、くっつかずに膵臓を二つ持つ動物もいるよ。

 ◇ののちゃん へえ〜。

 ◆先生 肺も食道の膨らみからできたのよ。食道と肺をつなぐ気管(きかん)は1本だから、元は一つの膨らみだったとわかるでしょ。現(げん)に肺魚の一部は今も肺は一つ。それが進化して二つに分(わ)かれたのね。

 ◇ののちゃん くっついて一つになる臓器あり、その逆(ぎゃく)もありね。

 ◆先生 卵巣(らんそう)と子宮(しきゅう)も二つずつが基本だけど、ヒトやサルでは、子宮どうしがくっついて一つになってるの。一度に産(う)む子の数が減(へ)ったためらしいわ。

 ◇ののちゃん そうなの。

 ◆先生 二つないと困る器官(きかん)もあるわ。目は、両目に映(うつ)るモノの姿(すがた)に微妙(びみょう)な違(ちが)いがあるから、奥行(おくゆ)きをつかんで立体的(りったいてき)に見ることができるの。耳も二つあってこそ、音の来る方向がわかるのね。

 ◇ののちゃん 心臓も、左右の胸(むね)に一つずつあったらいいのにね。

 ◆先生 実は、胎児(たいじ)では心臓の「元」が左右に二つでき、中央でくっついて心臓になるの。そして心臓の左下部は、体中に血液(けつえき)を送り出す大きなポンプになるので、心臓は左胸という印象があるわけ。だけど実は体のほぼ中央にある臓器。だから左右に二つは無理(むり)ね。脊椎(せきつい)動物以外ならミミズのように心臓を複数(ふくすう)持つ例(れい)もあるわ。

 (取材協力=東京大大学院・犬塚則久博士、構成・武居克明)

 ◆調べてみよう!

 (1)ヘビでは肺、トリでは卵巣と輸卵管(ゆらんかん)が、片方ずつ退化(たいか)。なぜ?

 (2)哺乳類(ほにゅうるい)では、二つの子宮がいろんな程度(ていど)にくっつき合っている。百科事典(ひゃっかじてん)などで見てみよう。

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