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電気ウナギは電気をどう使う?

 愛知県・竹内祐司(たけうちゆうじ)さん(48)からの質問(朝日新聞社発行 2011年5月7日付be)

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 ●電気で獲物を見つけ、攻撃するの

 ◇ののちゃん 水族館(すいぞくかん)で電気(でんき)ウナギを見たよ。南米(なんべい)のアマゾン川などにすむんだって。係(かかり)の人が小魚(こざかな)の切り身を水槽(すいそう)に入れてやるたびに、そばのイルミネーションが光ってたよ。

 ◆藤原先生 電気ウナギが小魚に気づいて水中に電気を流(なが)す、つまり放電(ほうでん)すると光る仕(し)かけの展示(てんじ)だね。

 ◇のの 説明(せつめい)を読(よ)んだら、電気ウナギって、小魚を感電(かんでん)させてマヒしたところを食べちゃうんだって。

 ◆先生 動物は、電気をいろいろと利用(りよう)してるの。人間も体に電気が流れていて、心電図(しんでんず)や脳波(のうは)として見られるわ。水中は空気中よりずっと電気が流(なが)れやすいので、魚は陸(りく)の動物(どうぶつ)よりも電気をさまざまに使えるの。電気ウナギは攻撃(こうげき)に、サメやエイは、かくれた獲物(えもの)の体から出る電気をキャッチして見つけ出すわ。

 ◇のの とっても電気に敏感(びんかん)なセンサーを持ってるんだね。ほかにはどんな使い方があるの?

 ◆先生 体のまわりに放電して、あたりの物(もの)がその電気をどのくらい通すのか、その程度(ていど)によって獲物や障害物(しょうがいぶつ)を見わけたり、仲間(なかま)どうしや、オス・メスの間で交信(こうしん)したりもするよ。電気は夜でも、にごった水の中でも使えるのが強みね。

 ◇のの なるほど。

 ◆先生 こうした放電する魚たちは、「電気魚(うお)」というの。筋肉(きんにく)から進化した発電器官(はつでんきかん)をもっているのよ。日本の近くの海にもシビレエイやガンギエイがいるけど、チャンピオンはやっぱり電気ウナギね。攻撃用の放電はおよそ350ボルトもあるの。ちなみに家で使う電気は100ボルトよ。

 ◇のの すごいんだね!

 ◆先生 電気ウナギには発電器官が二つあり、体の前の方の大きなものが攻撃用。後ろの小さなのは獲物などを探(さが)すためのもので、10〜15ボルトほどの弱い放電をひんぱんにして、あたりの様子(ようす)をさぐってるの。

 ◇のの そして獲物を発見したら、大きい発電器官で強力な放電をおみまい、というわけね。

 ◆先生 そういうこと。

 ◇のの だけど不思議(ふしぎ)だなあ。電気ウナギはどうして、自分自身は感電せずにすむんだろう?

 ◆先生 もっともな疑問(ぎもん)ね。実はそのナゾを解(と)く実験(じっけん)はまだ進んでないの。でも、いくつか理由(りゆう)は考えられているわ。たとえば、危険(きけん)な発電器官は電気を通しにくい組織(そしき)で包(つつ)まれていて、体の他(ほか)の部分にはわずかな範囲(はんい)しか電気が流れないらしいの。

 ◇のの それに対して、獲物の小魚は、放電を全身に浴(あ)びるから感電しちゃうんだね。

 ◆先生 そうね。それに、放電はほんの一瞬(いっしゅん)なので、体長2メートル数十センチにもなる電気ウナギ自身(じしん)をマヒさせるほどの威力(いりょく)はない、とも考えられているわ。

 (取材協力=マリンピア松島水族館・西條正義館長、米バージニア大・川崎雅司教授、構成=武居克明)

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