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ベクレルとシーベルト、どう違う?

 大阪府・真本大生(まもとだいき)さん(18)ほかからの質問(朝日新聞社発行 2011年8月6日付be)

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 ●放射線(ほうしゃせん)を出(だ)す側(がわ)か受(う)ける側かが違(ちが)うの

 ◇ののちゃん ベクレルやシーベルト、ミリにマイクロ。放射能(ほうしゃのう)を示(しめ)す単位(たんい)って、色々(いろいろ)あるんだね。

 ◆藤原先生 それぞれ、表(あらわ)しているものや大きさが違(ちが)うのよ。

 ◇のの じゃ、ベクレルってなに?

 ◆先生 ベクレルは、土や食べ物などに含まれている放射性物質(ほうしゃせいぶっしつ)が、放射線を出す能力(放射能)を表すときに使われる単位よ。放射性物質は放射線を出しながら別(べつ)の物質へと変化(へんか)していくんだけど、1秒間に一つの原子核(げんしかく)が壊(こわ)れて放射線を放(はな)つと、それが1ベクレルなの。

 ◇のの シーベルトは?

 ◆先生 放射線が人体(じんたい)に及ぼす影響(えいきょう)を示す単位ね。放射線にはいくつか種類(しゅるい)があってその種類や、放射線を受けた臓器(ぞうき)、大人か子供かでも影響は異なるの。ベクレルは放射線を出す側(がわ)から見た量(りょう)だけど、シーベルトのほうは、受け手側の影響を反映(はんえい)している点がベクレルと違うの。

 ◇のの ベクレルからシーベルトに直すことはできるの?

 ◆先生 体内(たいない)に入った放射性物質なら、その分布(ぶんぷ)や排出(はいしゅつ)などを反映するさまざまな「実効線量係数(じっこうせんりょうけいすう)」が法令(ほうれい)で定(さだ)められているから、これを放射能濃度(のうど)や飲食(いんしょく)や呼吸(こきゅう)を通して取り込んだ量にかければ計算できるわ。

 ◇のの ミリとかマイクロは?

 ◆先生 ミリは千分の一。マイクロはさらにその千分の一なので、もとの百万分の一という意味(いみ)よ。

 ◇のの イメージがわかないよ。

 ◆先生 高さ3776メートルの富士山(ふじさん)でいえば、千分の一は3・7メートル、百万分の一だと約4ミリ。日本一の山が指(ゆび)の先(さき)に乗(の)る高さになるわね。

 ◇のの わっ、かわいい富士山だね! 1時間あたり約(やく)0・05マイクロシーベルトなら、1マイクロシーベルトより、さらに百分の一レベルだね。

 ◆先生 1日になおすと1・2マイクロシーベルト。年間量をミリで言えば0・438ミリシーベルト。発がんリスクが少し上がるという100ミリシーベルトの200分の1以下ね。屋内にいれば危険性はさらに下がるわ。

 ◇のの ほかにも単位があるの?

 ◆先生 あるわよ。シーベルト同様(どうよう)、受け手の影響を示す単位にグレイがあるわ。人体や動物(どうぶつ)や建物(たてもの)などの「モノ」が受ける放射線量を示すの。ほかには、1分間に検知(けんち)した放射線の量を示すcpm(シーピーエム)。これは、放射性物質の種類や量、感受性がはっきりしなくても出る数字(すうじ)だから、原発事故(げんぱつじこ)の対応にあたる作業員(さぎょういん)の簡易検査(かんいけんさ)などで使われているの。

 ◇のの どの数字も、事故がなかったら被(ひ)ばくはゼロになるの?

 ◆先生 いいえ。「被ばく」は多少(たしょう)に関係(かんけい)なく、放射線をあびることを言うの。事故がなくても、天然の岩石(がんせき)や食べ物に含(ふく)まれるごく微量(びりょう)の放射性物質などから放射線を浴びているの。被ばくは少ない方がいいけど、ゼロになることはないのよ。

 (取材協力=放射線医学総合研究所野島久美恵室長、構成=竹石涼子)

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