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ゆで卵はなぜ上手にむけない?

 北海道・亀田由紀子(かめだゆきこ)さん(67)からの質問(朝日新聞社発行 2011年9月24日付be)

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 ●卵の中(なか)の二酸化炭素(さんかたんそ)のせいよ

 ◇ののちゃん ゆで卵(たまご)をむいたら白身(しろみ)が殻(から)にくっついて、ボロボロになっちゃった。なんでかなあ?

 ◆藤原先生 それは、とても新鮮(しんせん)な卵だったということなのよ。

 ◇のの どういうこと?

 ◆先生 産(う)みたての卵の白身には、ニワトリの体内(たいない)でできた二酸化炭素(にさんかたんそ)(CO2<シーオーツー>)という気体(きたい)がたくさん含(ふく)まれているの。ゆで卵にすると、そのCO2が温(あたた)められて膨(ふく)らんで、白身を殻に押(お)しつけるので、くっついてしまうと考えられているの。

 ◇のの どうしたらいいのかな。

 ◆先生 冷蔵庫(れいぞうこ)の中の温度(おんど)(4度)ぐらいなら少なくとも5日間、部屋(へや)の中(24度)なら3日間ほどたってから、ゆでればいいそうよ。卵の殻には7千〜1万7千もの穴(あな)があいているの。1ミリの100分の1ほどのとても小さい穴だけど、時間(じかん)をかければ、そこからCO2は徐々(じょじょ)に抜(ぬ)けていくのよ。

 ◇のの おばあちゃんが昔(むかし)の方がむきやすかったって言ってた。

 ◆先生 卵を運(はこ)ぶ方法(ほうほう)がどんどん進歩(しんぽ)して、生まれたての卵が早くお店に届(とど)くようになったの。だから買ってすぐにゆで卵にすると上手(じょうず)にむけないかもしれないわね。

 ◇のの 古いとまずくならない?

 ◆先生 それが逆なのよ。CO2が抜けると白身のアルカリ性が強まって、たんぱく質(しつ)がプリンプリンに固まるようになるの。新鮮な卵はCO2が膨らむときに白身をスポンジのようにしてしまうので、ボソボソしたかんじになりやすいのね。

 ◇のの おなかを壊(こわ)したりしない?

 ◆先生 卵の賞味期限(しょうみきげん)は、生(なま)のままで食べても食中毒(しょくちゅうどく)にならない期間で決めているの。ごくまれだけど卵が細菌(さいきん)に感染(かんせん)している場合があるからね。賞味期限は2週間ぐらいあるから、その期限内にむきやすいゆで卵はつくれるし、十分(じゅうぶん)に熱(ねつ)を加えれば多少(たしょう)過(す)ぎても問題ないそうよ。

 ◇のの 新しい卵でも殻がうまくむける技(わざ)はないの?

 ◆先生 ゆでて氷水(こおりみず)など冷(つめ)たい水にすぐ入れるの。すると温度差(おんどさ)で中身(なかみ)だけが縮(ちぢ)まって殻と白身の間にすき間ができ、むきやすくなるわよ。

 ◇のの なるほど!

 ◆先生 裏技(うらわざ)もあるわ。卵のとがっていない方には、気室(きしつ)と呼ばれる小さなすき間があるの。ゆで卵にすると、へこんでいる部分(ぶぶん)ね。ここにひびを入れてからゆでると、CO2が十分に逃げ出せ、殻の内側(うちがわ)にお湯(ゆ)が入りこんでむきやすくなるわよ。

 ◇のの でも、白身が外に飛(と)び出たりしてひどいことにならない?

 ◆先生 コツは必要(ひつよう)ね。白身と殻の間にある薄(うす)い膜(まく)は実は2枚あって、気室では2枚の膜が離(はな)れているの。外側(そとがわ)の膜だけを破(やぶ)って、内側を残(のこ)せば白身の飛び出しは防(ふせ)げるわ。

 (取材協力=京都女子大学・八田一教授、兵庫県立農林水産技術総合センター・藤中邦則主任研究員、構成=須藤大輔)

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