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インコはなぜしゃべれる?

愛知県・杉本那美(すぎもとなみ)さん(小2)などからの質問(朝日新聞社発行 2012年1月14日付be)

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 ◇ののちゃん 犬(いぬ)や猫(ねこ)も猿(さる)も話(はな)せないけど、この前もらってきたセキセイインコのピーちゃんは「オハヨー」ってうまく話(はな)せるよ。これはなぜなの。

 ◆藤原先生 九官鳥(きゅうかんちょう)やオウムもしゃべるよね。鳥の中だと、九官鳥などのスズメ目(もく)、インコやオウムなどのオウム目、ハチドリなどのアマツバメ目という三つのグループの鳥たちは、聞(き)いた声(こえ)をまねられ、中には人(ひと)の言葉(ことば)をしゃべるのもいるわね。

 ◇のの なんのためにしゃべるの?

 ◆先生 人の言葉をしゃべるのは、飼(か)い主(ぬし)のことをつがい相手と思(おも)っているかららしいわ。飼い主の声を学んで同じ声を出すことで、お互いのきずなを保(たも)とうとしているのよ。中(なか)でもオウム目は色々(いろいろ)な声を出す機能(きのう)が進化(しんか)していて、声で仲間とのコミュニケーションをとっているの。

 ◇のの 人を鳥だと思ってるんだ。

 ◆先生 特(とく)に1羽(わ)だけで飼っている場合には、相手(あいて)は人だけだから、人と同じ声を出すことがより大事(だいじ)になるようよ。逆に言えば、つがいで飼うと、言葉はあまり覚(おぼ)えないわね。

 ◇のの オハヨーっていっているときは、意味(いみ)はわかっているのかな?

 ◆先生 オハヨーの意味自体(じたい)を理解(りかい)している訳(わけ)ではないけど、朝(あさ)にそういうと飼い主が喜(よろこ)ぶといった状況(じょうきょう)を理解できる鳥はいるわ。オウム目が一番(いちばん)色々な音を学べるようよ。

 ◇のの なんでこの三つのグループの鳥だけがしゃべれるの?

 ◆先生 共(とも)にヒナが弱(よわ)くて、巣(す)にとどまって親(おや)にエサをねだるという行動(こうどう)が発達(はったつ)しているの。親にエサをねだるために色々な声を出せるようになったという説(せつ)もあるわ。鳥は肺(はい)のすぐ上にある鳴管(めいかん)というところをふるわせて声を出すのだけど、三つのグループの場合には、鳴管の周辺(しゅうへん)の筋肉(きんにく)がほかの鳥たちより多(おお)いので、多様(たよう)な声が出せるようね。

 ◇のの でも筋肉が発達しているだけで、話せちゃうものかな?

 ◆先生 鋭い疑問ね! 脳(のう)も異(こと)なっているのよ。脳の中の中脳(ちゅうのう)と脳幹(のうかん)というところに、音を聞いたときに働(はたら)く部分(ぶぶん)と声を出すときに働く部分があるの。ヒトやオウムなどは、これらの部分が大脳(だいのう)を介(かい)してつながっているため、聞いた声を学んで、同じ声を出せるのよ。脳幹の声を出す部分は別(べつ)の経路(けいろ)でも大脳と直接(ちょくせつ)つながっているので、よりきめ細(こま)かい声の調整(ちょうせい)もできるのね。

 ◇のの サルもヒトには近いけれど、話すことはできないよね。

 ◆先生 サルや犬や猫も、この部分が大脳とつながっていないから、聞いた声を学び、同じ言葉を出すという能力(のうりょく)は発達していないわ。人ほど赤(あか)ちゃんがよく泣(な)く霊長類(れいちょうるい)は他にはいないと言われているの。赤ちゃんのときによく泣くことで、こうした神経系(しんけいけい)が発達(はったつ)するのではないか、という仮説(かせつ)もあるそうよ。

 (取材協力=東京大教授・岡ノ谷一夫さん、構成=本多昭彦)

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