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干した布団はなぜ香る?

静岡県・安田(やすだ)みのりさん(小4)からの質問(朝日新聞社発行 2012年3月3日付be)

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 ●綿(めん)が紫外線(しがいせん)と反応(はんのう)するからよ

 ◇ののちゃん 最近(さいきん)少しずつ暖かくなってきたね。

 ◆藤原先生 屋外(おくがい)に洗濯物やお布団(ふとん)を、干(ほ)してもよく乾(かわ)くので助かるわ。もう春ね。

 ◇のの お外に干した、ふかふかのお布団で寝(ね)ると気持(きも)ちいい!

 ◆先生 取(と)り込(こ)んだ後のタオルも、ほおずりしたくなるくらい柔(やわ)らかでしょう。

 ◇のの 雨(あめ)の日に、家(いえ)の中で干したのと全然(ぜんぜん)違(ちが)うよ。それに、干したお布団ってとても心地(ここち)よい香(かお)りがするよね。あれは、何でだろう。

 ◆先生 屋外に干したものから生まれる香りは、太陽(たいよう)の光(ひかり)が作り出してくれた特別(とくべつ)な香りなのよ。

 ◇のの ほんとに太陽の光が香りを作るの? 晴れた日に外で遊(あそ)んでいても、太陽の匂(にお)いなんて感(かん)じたことないよ。

 ◆先生 そうよね。太陽の光自体(じたい)の匂いではなくて、あれは、布団やタオルの原料(げんりょう)の綿(めん)などの繊維(せんい)と、太陽の光が化学反応(かがくはんのう)を起こすことで、生まれる匂いなの。

 ◇のの 太陽の光で、どうやって匂いが生まれるの?

 ◆先生 太陽の光には、紫外線(しがいせん)という目(め)に見えない種類(しゅるい)の光が含(ふく)まれているの。日焼(ひや)けの原因(げんいん)になったりする光ね。その紫外線が、綿を作るセルロースなどの物質(ぶっしつ)をほんの少しだけ分解するのよ。太陽の光でセルロースが温められることも分解と関係(かんけい)しているの。

 ◇のの それで、どうなるの?

 ◆先生 例えば分解されたセルロースは、アルデヒドや脂肪酸(しぼうさん)、アルコールといった物質に変化(へんか)するの。アルデヒドは、オレンジなどにも含まれる香りのもとになる物質よ。分解はごくわずかだけど、アルデヒドは微量でも香りが強い物質なの。それらが複雑(ふくざつ)に組み合わさって、干したお布団のあの香りになるわけ。洗濯物なら洗剤(せんざい)の香りも加(くわ)わって、さらに絶妙(ぜつみょう)な香りになるの。

 ◇のの そんなことが起こっていたんだね。

 ◆先生 心地よさを示(しめ)す指標(しひょう)となる脳内(のうない)のアルファ波(は)を調(しら)べる実験(じっけん)で、太陽の光で生まれた香りを嗅(か)いだとき、リラックスしている傾向が見られたの。化粧品会社(けしょうひんがいしゃ)が太陽の光でできる香りを人工的に作り、香水として売り出していたこともあるの。現在(げんざい)も一部(いちぶ)の化粧品の素材で使われているそうよ。

 ◇のの へえ〜、面白い。お外に干した後の布団だと、よく眠(ねむ)れる理由(りゆう)が分かったよ。でも前にお母さんが、お布団を干した後の匂いは、お布団の中にいた死んだダニの匂いらしいんだよとか言っていたよ。

 ◆先生 確かに、そういう人も多いわね。でもそれと太陽の光でできる匂いは別物よ。ダニがいない実験でも、太陽の光で香りができることが確かめられているのよ。

 (取材協力=カネボウ化粧品、構成=今直也)

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