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トンボの目玉はどうなっている?

大阪府・杉野大輔(すぎのだいすけ)さん(中1)からの質問(朝日新聞社発行 2012年6月9日付be)

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 ●2万個(まんこ)の小(ちい)さな目(め)の集(あつ)まりなの

 ◇ののちゃん 公園(こうえん)の池(いけ)で、虫(むし)を捕(と)っている子(こ)がいた。トンボの幼虫(ようちゅう)のヤゴだって言(い)ってたよ。子のヤゴの目(め)は小(ちい)さいのに親(おや)のトンボの目は、なんであんなに大(おお)きいの?

 ◆藤原先生 トンボのあの大きな目は複眼(ふくがん)と言って、何万個(なんまんこ)もの小さな目が集(あつ)まってできているの。

 ◇のの 何万も目があるの!

 ◆先生 複眼は、個眼(こがん)と呼(よ)ばれる小さな目がたくさん集まってできているの。トンボの目は、約(やく)2万個の個眼が集まって、1つの複眼になっているのよ。

 ◇のの そんなたくさん目があったら、よく見(み)えるだろうね。

 ◆先生 ところが、細(こま)かいものを見るのは苦手(にがて)なの。人(ひと)の網膜(もうまく)には1億(おく)2千(せん)万個もの光(ひかり)を感(かん)じる細胞(さいぼう)があるけど、虫の個眼にはそれが8個ほどしかないの。複眼全体(ぜんたい)でも数十(すうじゅう)万個程度(ていど)。だから複眼だと、粗(あら)い光景(こうけい)しか見えないのよ。人と同(おな)じくらい見えるためには、虫の目には1千万個もの個眼が必要(ひつよう)だと計算(けいさん)されているの。それだと、目の大きさが直径(ちょっけい)1メートルにもなってしまうそうよ。

 ◇のの それは怪奇(かいき)ハエ男(おとこ)の世界(せかい)だ! そもそも虫はなぜ複眼なの?

 ◆先生 複眼の一番(いちばん)いいところは見える範囲(はんい)が広いことね。例(たと)えば、頭(あたま)の両側(りょうがわ)に目が張(は)り出(だ)したイトトンボは、自分(じぶん)の背中(せなか)の上(うえ)にあるものも見られるの。

 ◇のの 背中の上が見えたら、かゆいところが見えるね。

 ◆先生 それに複眼は、空間(くうかん)の分解能力(ぶんかいのうりょく)は低(ひく)いけど、時間(じかん)の分解能力は高(たか)いのよ。具体的(ぐたいてき)にいうと、人間の目だと、1秒間(びょうかん)に15〜60回(かい)程度の明暗(めいあん)の点滅(てんめつ)しか見分(わ)けられないけど、ハエなどは1秒間に150回もの明滅(めいめつ)まで見分けるそうよ。つまりすばやい連写(れんしゃ)ができるカメラみたいな目ね。同じ時間でも、多(おお)くの画像(がぞう)を切(き)り取って見られるのよ。

 ◇のの 色(いろ)は見分けられるの?

 ◆先生 人の目は3原色(げんしょく)と呼ばれる青緑赤(あおみどりあか)を強(つよ)く感(かん)じるけど、トンボなどの複眼は、紫外線(しがいせん)と青緑(あおみどり)を強く感じるそうよ。一方(いっぽう)、赤は見えにくいみたいね。ところで、トンボにはあの大きな目以外にも目があることは知っているかな?

 ◇のの 他にも目があるの?

 ◆先生 複眼の近くに、目立たないけど単眼(たんがん)という目もあるのよ。

 ◇のの トンボは4つ目なの?

 ◆先生 いいえ、単眼は実は三つあるから、あえて言えば5つ目かな。

 ◇のの 単眼は、なんのためについているの?

 ◆先生 複眼は主にものを見て、単眼は明るさを感じているわ。単眼は構造が単純な分、わずかな光の変化も感じ取れるの。感じ取った明るさの変化を、複眼の3分の1の時間で脳(のう)に伝(つた)えているの。だから、外敵(がいてき)から身(み)を守(まも)るのに役立(やくだ)っているのよ。

 (取材協力=トンボと自然を考える会の杉村光俊さん、北海道大学・水波誠教授、構成=田中誠士)

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