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なぜ風呂で指がシワシワに?

新潟県・金子萌斗(かねこもえと)さん(小4)からの質問(朝日新聞社発行 2013年3月23日付be)

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 ●角質層(かくしつそう)が膨(ふく)らみシワがよるのよ

 ◇ののちゃん お風呂(ふろ)で遊(あそ)ぶの大好(だいす)き。でも、長(なが)く入(はい)ると手(て)の指(ゆび)が、おばあちゃんみたいにシワシワになっちゃうの! あれは、どうして?

 ◆藤原先生 どれぐらいお風呂に入っていたのかな。だいたい10分以上お湯(ゆ)や水(みず)に手をつけると、シワシワになるよね。皮膚(ひふ)の表面(ひょうめん)には、何層(なんそう)も死(し)んだ細胞(さいぼう)が重(かさ)なっている「角質(かくしつ)」という層があって、そこに水分(すいぶん)がしみ込(こ)み、ふやけて膨(ふく)らむのよ。角質層の下(した)にある皮膚と体積(たいせき)の差(さ)ができて、シワが寄(よ)るの。乾燥(かんそう)したワカメを水(みず)につけてしばらくすると、水を吸(す)って何倍(なんばい)にも大(おお)きくなるでしょ。あれと同(おな)じことよ。

 ◇のの ワカメと同じなんだ!

 ◆先生 でも、もう一つ説(せつ)があるの。不思議(ふしぎ)なことに、指の神経(しんけい)が切(き)れている人の指はシワシワにならないのよ。だから神経に関係(かんけい)があるんじゃないかって。お湯に浸(ひた)すと、自律(じりつ)神経の働(はたら)きで角質の下の皮膚の血管(けっかん)が縮(ちぢ)まるので、表面(ひょうめん)と体積の差ができ、しわが寄るという説ね。

 ◇のの でも、お風呂に入ると手は温(あたた)かくなって血(ち)がたくさん流(ながれ)れている気(き)がするけど。血管が縮まるのは寒(さむ)い時(とき)じゃないの?

 ◆先生 あら、鋭(するど)いわね。普通(ふつう)はお湯に手をつけると血流(けつりゅう)がよくなって広(ひろ)がると思(おも)うけど、逆(ぎゃく)に縮まるという研究報告(けんきゅうほうこく)もあるの。でも、ののちゃんのようにこの説を疑(うたが)っている研究者もいるのよ。指のシワシワには、まだ様々(さまざま)な意見(いけん)があるの。

 ◇のの へー。あとね、手の指だけシワシワになるのが不思議。おなかやおしりもずっとお湯につかっているのにならないよ。

 ◆先生 それは、手の角質層がほかの部分(ぶぶん)よりも分厚(ぶあつ)いから。手足(てあし)の角質層は厚さが0・5〜1ミリほどもあるの。これは、顔(かお)の10倍(ばい)の厚さよ。厚いから水を吸ってふくらむと、はっきりわかるわけね。

 ◇のの でも、シワシワになっても、すぐ元通(もとどお)りに戻(もど)るよね。

 ◆先生 角質層を上(うえ)から見(み)ると、六角形(ろっかっけい)をしていて隣同士(となりどうし)がきれいにくっついているの。だから、ふやけても水が蒸発(じょうはつ)すればきれいに戻るの。

 ◇のの 指のシワシワは、何(なに)かに役立(やくだっ)っているわけじゃないんだね。

 ◆先生 それは、どうかしら。今年(ことし)の1月、英国(えいこく)の研究グループが「ぬれた物(もの)をつかみやすくするため」に指がシワシワになるという発表(はっぴょう)をしたの。シワシワになった人とそうでない人とで、ぬれたガラス玉を容器(ようき)から別(べつ)の容器に移(うつ)し替(か)える実験(じっけん)をしたら、シワシワの人のほうが速(はや)くつかめたそうよ。シワがタイヤの溝(みぞ)のように水を逃(のが)すので、ぬれた場所(ばしょ)でも物をつかみやすいという説ね。

 ◇のの 本当(ほんとう)に!?

 ◆先生 まだ、疑問視(ぎもんし)する研究者もいるわ。ののちゃんもお風呂で実験してみたら?

 (取材協力=旭川医科大・山本明美准教授、鹿児島大・桑木共之教授、金城大・永坂鉄夫副学長、構成=森本未紀)

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