
1.淡水魚と海水魚
私たちは淡水魚、海水魚を問わず、いろいろな種類の魚を食べていますが、なぜ魚は淡水・海水を住み分けているのでしょう。「そういうものだ」と言ってしまえばそれまでですが、皆さんも疑問に感じていることだと思います。「不思議だなー」と思っていると、そのことが新聞に載ることがよくあります。
2.学習のポイント
(1)淡水魚と海水魚、どれだけ知ってる?
日頃食べている魚を、皆さんは何種類ぐらい知っていますか。それは「淡水魚?」「海水魚?」、それとも「汽水の魚?」でしょうか。そうそう「海と川を行き来する魚」もいましたね。こういうときは図鑑があると便利です。さっそく、書棚から子どもたちが小さい頃読んでいた『魚貝の図鑑』(末広恭雄・阿部宗明編、小学館)を探し出して眺めてみると、「今さら聞けない」新たな発見がいくつもあることに驚かされました。
(2)なぜ淡水魚と海水魚がいるのでしょう。
そもそも、なぜ淡水魚と海水魚がいるのでしょう。このなぞを解くカギは「進化」にありそうです。魚類が地球上にあらわれたのは、約5億年前。一口にそうはいっても、途方もない時間ですが、そのころの化石を調べてみると淡水にすんでいたことがわかっています。魚は淡水の生物として生息域を拡大しました。しかし、約3億年前、地球が乾燥するという環境の変化が原因で、海へ生活の場を移したことで海水魚が誕生したと考えることができます。
簡単な解説を書きましたが、「発展学習として」に紹介した『玉川児童百科大辞典』からの抜粋です。魚類は脊椎(せきつい)動物の仲間ではもっとも歴史が古く、両生類や人類の誕生に至る壮大な進化の原点に位置します。色々な本や資料にあたり、検証してわかったことをまとめてみましょう。
(3)「浸透圧とは、・・・」「イオンとは、・・・」
「浸透圧」について、ここではナメクジと塩の例が示されていますが、この他に浸透圧に関する身近な例を探してみましょう。つぎに「イオン」とは何でしょう。小中学生のみなさんにとっては意味不明ですよね。わからないことは、科学事典などで調べてみましょう。
現行の中学校の理科では「イオン」は扱いませんが、新指導要領(2008年3月告示)ではイオンの学習が復活することになりました。
(4)淡水魚と海水魚の「浸透圧」調整についてまとめてみましょう。
魚の体内の塩分濃度は約1%であるのに、海水の塩分濃度は約3%もあります。したがって、海水で生きるためには、えらにある塩類細胞の働きで「イオン」の状態で塩類を外へ出して「浸透圧」の調整をする必要があるわけです。
淡水の魚の塩類細胞では、この逆の働きをするわけです。さらに、川と海を行き来する魚は、そのたびごとに浸透圧を調整する切り換えが必要になってくるわけです。そこで「ポイントは、浸透圧調整とイオンの出し入れ」という藤原先生のことばになるわけです。
3.発展学習として
以前、「サケはどうして川と海で生きられるの」(2004.9.25. 夕刊)でも紹介しましたが、今回の質問に関連する興味深い本があります。『玉川児童百科大辞典 8動物』(玉川大学出版部 誠文堂新光社)です。魚類(pp274−299)のページ(川口弘一著)に、「海水魚と淡水魚の生理」「海と川をゆききする魚の体液濃度の調節」「体液濃度の調節とホルモン」といった項目があります。今回の学習活動を深めるのに、おおいに役立つことでしょう。
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