朝日・大学パートナーズシンポジウムWho Cares? 誰が私たちの面倒をみるの? 介護現場のいま


2009年6月20日(土)京都市・龍谷大学

【インドネシア人の体験談】施設は家、実感/国家試験 心配

ティアス・パルピさん

 日本とインドネシアの経済連携協定(EPA)に基づいて昨夏に来日し、介護福祉士の資格取得をめざす女性2人が、日本語で体験や思いを報告した。ティアス・パルピさん(27)とウェルヤナ・オクタフィア(フィフィ)さん(27)。横浜市の特別養護老人ホームで働き始めてまもなく10カ月になる。

 2人は母国の看護大を卒業し、看護師の資格を持って来日した。いま36人の入居者がいるフロアを担当している。それぞれの名前や体調、部屋割りを覚えることから始まり、おむつ替えや入浴介助、ケアプランの作成も担う。

 ティアスさんは、施設の先輩たちが日本のやり方を押しつけず、意見を交わしながら教えてくれると話した。「納得して技術を身につけられるのがありがたいです」

ウェルヤナ・オクタフィアさん

 また最初は、日本の施設は高齢者をただ「預かる場所」だと感じていたという。研修で仕事を4日休んだ後、思いが変わる。「利用者さんから『病気だと思ったよ。体に気をつけてね。毎日待っているからね』と言われました。日本でも私を心配してくれる人がいる。まるで家族と同じです。利用者さんにも私にも、施設は家なんだと思いました」

 2人は日本での留学経験があるため、今回、半年の日本語研修を免除され、EPAのほかの仲間よりも早く現場に入った。日本語に慣れているとはいえ、高齢者らとコミュニケーションをとるのは簡単ではない。

 フィフィさんは「『召し上がる』など敬語の使い方は何とか分かるようになりましたが、読み書きはまだまだです。日本語を使いこなせるようになりたい」と話した。

 一番の心配事は、3年後に日本語で受ける国家試験だ。合格すれば家族と一緒に日本に住んで働きたいとの思いも抱くが、「もし失敗すれば帰らなくてはなりません。せっかく日本に来て一生懸命がんばっているのに、努力が(水の)泡になってしまいます」と不安な思いを語った。それでも最後には、「私の選んだ道ですから、自分の責任として、頑張って勉強していきます」と締めくくった。