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スペシャルインタビュー

創立100周年に向けスポーツクライミングを支援 困難な壁に挑む姿に共感【住友商事】

2018年6月1日

2017年中国・南京のボルダリングW杯決勝で、初優勝した渡部桂太=日本山岳・スポーツクライミング協会提供

自然の岩場を登るフリークライミングをルーツにもち、競技として確立された「スポーツクライミング」。国内の競技人口は愛好者を含めて約60万人に拡大し、2020年東京オリンピックの追加種目として採用された。住友商事は2018年1月、スポーツクライミング日本代表を応援するオフィシャルパートナーとなった。壁に挑む選手の姿は商社の経営姿勢に通じると話す新森健之・執行役員広報部長に、同社のねらいと取り組みを聞いた。

――スポーツクライミングの事業協賛社となったきっかけを教えてください。

インタビューに答える新森健之・執行役員広報部長

 当社は、2019年12月に創立100周年を迎えます。節目の年に向けたプロジェクトの一環として、社員の一体感を醸成できるものは何だろうと考えたところ、子どもから大人までみんなが一つになれるのはスポーツだということになりました。その中でこの競技との出会いがありました。

 これまで住友グループの一員としてスポーツに協賛したことはあるのですが、商社は消費者向けの商品を店頭で売るビジネスとは違うこともあり、企業広告を積極的に展開することはありませんでした。全社を挙げて一つのスポーツを応援するのは、当社では初めての取り組みになります。

――多くの競技の中からスポーツクライミングを選んだ理由は何でしょう?

 商社の事業はこれまで通貨危機や資源価格の急落、テロなど不安定な世界情勢に常にさらされ、さまざまなリスクを抱えた中で展開してきました。かつては、長年にわたる商社不要論もありました。そうした環境下で「毎日が危機で毎日が挑戦」という心構えで、そのときどきの世の中のニーズをくみ取って答えを出してきました。スポーツクライミングは困難な壁に挑む競技です。苦しい思いをしながら知恵を使ってルートを考え、あきらめずに壁を乗り越えていく。当社の経営姿勢にぴったりくるスポーツだと感じました。

――2020年の東京オリンピックの追加種目に決まり、五輪競技として東京で初めて競われると話題です。

今季の開幕戦で優勝し、表彰台で笑顔を見せる野中生萌(右から3人目)。女子3位には野口啓代(同1人目)、男子2位には楢崎智亜(同5人目)が入った=日本山岳・スポーツクライミング協会提供

 国際大会で優勝する日本人選手もいて、「ボルダリング」種目の国別ランキングは2014年から4年連続で日本が第1位という実力を誇ります。東京大会では、日本人選手がメダル候補になるチャンスがあります。

 世界で活躍する選手と話す機会があったのですが、10年ほど前は遠征費用など海外の大会に出るのも大変で苦労したそうです。「皆様のおかげでずいぶん改善しました」とおっしゃっていましたが、まだ野球やサッカーのようにメジャーなスポーツではありません。しかし、2020年に向けて注目度が高まっていくことは間違いありません。この競技を世の中に広く知っていただくためのお役に立てれば社会貢献にもなります。

 このようにいろいろな思いから支援を決めました。会社の宣伝効果というよりは、社員が「うちの会社もいいことしているじゃないか」と感じてくれたら。オリンピックでメダルを取るかもしれない競技を全社で応援するのは、なかなか楽しいことですよね。

――社内の反応はいかがですか?

今年5月に行われた住友商事の運動会ではボルダリングが行われた=住友商事提供

 まだ、社員への周知を進めているところです。5月に開催した社内運動会は、社員と家族約1100人が参加しました。この会場にボルダリングの人工壁を設け、みなさんに体験してもらうとともに、ボルダリング日本代表の渡部桂太選手を招き、トークセッションと直接指導いただく機会を作りました。多くの社員やそのお子さんが何度も挑戦していましたので、社員の関心も高まったと思います。

 また、主要な大会のチケットを配って観戦してもらっています。種目にもよりますが、スポーツクライミングは老若男女が気軽に楽しめるスポーツ。ファンになって競技を楽しむ人が増えていけばと思っています。

――スポンサー活動として取り組みたいことは?

 今年1月、当社ウェブサイト内に特設サイト「Climbing for the Future スポーツクライミング」を開設しました。オリジナル制作の特別映像や、競技会情報などを発信していきます。

 また、今年9月には東京都千代田区大手町への本社移転を予定しています。オフィス環境が変わるタイミングで、例えばスポーツクライミングの体験スペースを設けるなど、近くの企業で働くみなさまにも関心をもっていただく機会をつくれたらと考えています。

――今後の目標を教えてください。

 今年2月、東京都世田谷区で開催された「ボルダリングジャパンカップ」を観戦しました。かっこいいサウンドや照明の演出とMCで会場を盛り上げていて、若者に人気のXゲームズのようにエンターテインメント性の高い試合でした。見に行けば「これは楽しい」ときっとファンになるので、まずは競技に興味をもってもらうお手伝いができれば。そして、東京オリンピックでは、「スピード」「リード」「ボルダリング」の3種目の総合で金、銀、銅を独占してもらえるように会社を挙げて応援していきたいですね。

Climbing for the Future スポーツクライミング 特設サイト

住友商事株式会社

執行役員広報部長

新森 健之氏

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