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(社説)経済論戦 将来世代への責任は

 参院選が公示された。

 論戦の中心は安倍政権の経済政策、アベノミクスだ。

 与党が円高の是正や株価の上昇、企業業績の好転を背景に、その「実績」を強調するのに対し、野党は食料品の値上がりといった国民生活への副作用を批判する。

 こうした舌戦はもちろん大切だ。しかし、私たち有権者は政治家が語りたがらないことに目を向ける必要がある。

 膨らみ続ける借金にどう歯止めをかけ、将来世代へのつけ回しを改めていくか、という問題である。

 財政再建をめぐっては昨年、民主党政権と野党だった自民、公明両党が「社会保障と税の一体改革」を成立させ、2段階の消費増税を決めた。

 だが、国の借金総額は国内総生産(GDP)の2倍、1千兆円を超えて、なお増え続ける。消費増税で事足れりという甘い状況にはない。

 経済成長による税収増に、増税を中心とする負担増と、歳出の削減をあわせた「3本の矢」こそが必要だ。

 そうした苦い薬を示して、初めて責任ある政党と言えるはずだが、安倍政権は、今後の財政収支の見通しや再建計画づくりを参院選後の8月に先送りし、「消費増税の可否は秋に判断する」と繰り返す。

 自民党の公約には、「一体改革」や「消費増税」が出てこない。一方で、国土強靱(きょうじん)化の推進や交通ネットワークの整備、農業分野の公共事業など、歳出増につながる項目が並ぶ。

 アベノミクスも、3本柱のうち「異次元の金融緩和」と大型の財政出動は、痛みを先送りする政策でもある。核となるべき成長戦略が既得権層への切り込み不足のままなら、財政赤字を拡大させただけで終わり、となりかねない。

 負担増に口をつぐむのは、野党も同じだ。民主党は財政健全化責任法の制定をうたったものの、社会保障など個々の政策では「充実」や「引き上げ」が目立ち、本気度に疑問符がつく。

 他の党の大半は消費増税への反対を叫び、どう財政を再建するのか、説得力のある対案を示せていない。

 経済の活性化と負担増の両立は確かに難しい。だが、持続可能な社会をつくるために、ギリギリの経済運営を迫られているのがいまの日本だ。

 負担増を嫌い、給付充実を訴える政党の姿は、私たち自身の写し鏡でもある。

 将来世代への責任という視点を忘れないようにしたい。

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