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(オルタナティブ・ニッポン)「まず町民の意向調査を」

写真:宮城県南三陸町の防災対策庁舎=2012年11月25日、日吉健吾撮影拡大宮城県南三陸町の防災対策庁舎=2012年11月25日、日吉健吾撮影

写真:防災対策庁舎前で手を合わせる女性。強風の中、一心に祈っていた=3月10日午後2時21分、宮城県南三陸町志津川、越田省吾撮影拡大防災対策庁舎前で手を合わせる女性。強風の中、一心に祈っていた=3月10日午後2時21分、宮城県南三陸町志津川、越田省吾撮影

■南三陸駐在・伊藤喜之記者

「話そう、震災遺構」特設マップ早期解体に変化のきざし

 「保存か解体か、まず町民全世帯に意向調査してはどうか」。町職員ら42人が死亡・行方不明となった宮城県南三陸町の防災対策庁舎について、私は昨年6月、本紙「記者有論」にそう書いた。

 今も、住民の意見を直接聞くべきだ、という考えに変わりはない。住民の意見は「早期解体」「解体の一時延期」「保存」で割れている。佐藤仁町長や一部の遺族の意向、あるいは町長と、反町長派の多い町議会との綱引きで存廃を決めてしまえば、町の将来に禍根を残しかねないと思うからだ。

 だが、意向調査など町民の意見を聞く動きは、今のところない。町長は存廃判断の材料として「ご遺族の感情をあくまで尊重したい」という立場を崩していないからだ。

 あの日、津波は高さ12メートルの3階建ての防災対策庁舎の屋上を超えた。そこにめぐらされていた鉄柵も流され、しがみついていた多くの人が犠牲になった。

 町長も庁舎の屋上にいた。目の前で部下たちが流されていくのを見ている。自分だけ生き残ってしまった、という後ろめたさもある。それだけに遺族感情を最優先したいという思いが強いのだと思う。

 最近は遺族の意見にも変化のきざしがある。月命日に必ず花を供えにくる、夫を失った女性は「解体すれば手を合わせる場所がなくなってしまう」と思うようになったと話す。町長はその心情変化を見定めているといえる。

 その気持ちは、否定しがたい。この際、結論を導きだすまで十分に時間をかけ、揺れる遺族の意見が落ち着くのを待つ。その上で意向調査を行い、存廃の判断を下すべきではないだろうか。

    ◇

 被災した役場庁舎などの「震災遺構」を残すべきか、壊すべきか。記憶や記録を引き継ぎ、風化させないためには、何ができるか。被災地の声、防災の視点、様々な角度から考えます。特集ページ(http://www.asahi.com/shinsai_fukkou/ikou/)で意見を募集しています。

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