電動歯ブラシは手で磨くのに対して、きちんと磨けば非常に効果が高いと言われている。この電動歯ブラシ市場は、多種多様でドラッグストアでは数百円のものが発売されているが、家電量販店などでは2万円近くするものもある。高機能な電動歯ブラシは、ドイツのブラウン、オランダのフィリップス、日本のパナソニックが人気を三分している。これらの製品は、機能的にどう異なるのかを紹介するとともに、各メーカーのラインアップの違いも紹介しよう。

入門モデル的扱いの乾電池式

 電動歯ブラシは方式の違いはあるが、基本的にはブラシのヘッドが電動で振動、回転することで歯を磨ける製品だ。手の動きでブラッシングするよりも、きちんと使えば細かく丁寧に磨けるので時短にもなる。ただ、電動だからと言って雑になってしまうと、手で磨くよりも効果が劣ることになるケースもあるようなので、電動を過信しないことは重要だ。

 この振動や回転などの度合いによって高価なものと安価なものに分かれている。例えば、ドラッグストアで2000円もしない価格で販売されているライオン「デンターシステマ音波アシストブラシ」は、乾電池式で音波振動は毎分約9000回。それに比してフィリップスの「ソニッケアー」の高機能モデルは、毎分約31000回の超高速振動で、音波水流を発生させて歯垢を除去するという。

 また同じ製品でも電池式と充電式のものがラインアップされている場合もある。電池式の方が充電器がない分、場所を取らずに済むが、パワーの点では充電式には劣り、機能的には入門機的な扱いになる。充電式の方が機能は豊富でパワーにも優れるため、高機能モデルはほとんど充電式だ。製品によっては充電器が大きいものもあり、それを置くスペースと電源の確保が必要になる。

 また「電動」の方式にも2種類のタイプがあり、ブラシが高速回転して歯を磨く回転式を採用しているのがブラウン、ブラシを高速振動させる音波式がフィリップスとパナソニックだ。回転式のモデルは、物理的に高速回転で磨くので「磨いている感」は高い。表面がつるつるになるという感想が多いのはこのタイプだ。ただし回転するブラシの刺激を強く感じる人もいて、歯茎の弱い人は音波式の方が向いているかもしれない。音波式は、高速な微振動とブラシの振幅運動で歯を磨く方式。回転式に比べるとソフトな感触で歯茎にもやさしい印象だ。それぞれに特徴があるので、メーカーごとに商品を見てみよう。

回転式のブラウン

 ブラウンの「オーラルB」は、丸型の小型ブラシが高速回転し、これで歯を包み込むようにして磨いていく。回転数はエントリーモデル「すみずみクリーン」で約7600回転/分と高速で、上位機種ではさらに歯垢を叩いて浮かす、約40000回/分の高速上下運動を併用するモデルもある。「プラチナ・ブラック7000」は、ブラウンの最上位モデル。6種類のブラッシングモードを備え、口臭ケアやホワイトニング機能などももつ。また、スマホのアプリとBluetoothで連動するのもこのモデルならでは。ブラッシングのフィードバックやガイダンスをリアルタイムで受け取れる。

 「PRO 3000」は、4つのブラッシングモードをもつモデルで、価格と性能のバランスがいい。お試しなら乾電池式の「プラックコントロール」がおすすめ。上下運動はできないがブラシの動きは高速で十分な性能をもつ。

音波式のモデル

 フィリップスのソニッケアーシリーズは同社独自の音波水流で歯垢を落とすテクノロジーを採用。付属品や機能によってモデルが分かれているが、「ダイヤモンドクリーン」は、そのハイエンドモデル。通常の歯磨きのクリーンモードのほかに、歯茎が敏感な人のためのセンシティブモードや、歯を白くするためのホワイトモードなどを備える。付属品が充実しており、充電器もグラスに歯ブラシを入れるだけで充電できるタイプのものや、USBで充電可能な持ち運び用のケースなども付属している。ただし、価格もそれなりに高いのが難点だ。

 機能と付属品を絞って予算を下げるなら、通常のクリーンモードと歯を白くするホワイトモードを備えた「ヘルシーホワイトプラス」や、さらにシンプルな機能に特化した「プラークディフェンス」がおすすめだ。

 パナソニックのドルツも音波式を採用したモデルで、持ち運びできる「ポケットドルツ」が一時入手困難になるほど大ヒットした。毎分約16000ブラシストロークの音波振動できれいに磨けると現在でも人気で、歯間ケアもできる「EW-DS27」など、ラインアップも豊富に用意されている。

 家庭用では、毎分約31000ブラシストロークの音波振動と横磨きを採用し、歯茎にやさしく歯垢を除去する。ドルツDEシリーズは、歯周病対策に極細毛を採用したモデルで、歯周病の病原菌を除去するという。「EW-DE54」はその上位モデルで、パワー制御機能やイオン放出機能なども搭載する。音波振動数はフィリップスと同様だが、ブラシ部分が小ぶりになっており、日本人にフィットするように工夫されている。

 上位3社と比較すると目立たないが、オムロンからも音波式の電動歯ブラシが販売されている。「HT-B312」は毎分約33000回の高速音波振動と、オムロン独自の「タテ・ヨコ振動」で、磨き残しのない歯垢除去を実現している。

 各社のモデルは、ラインアップが豊富に用意されていて、どれを購入すべきか迷ってしまう。だが、歯を磨くという点においては、最上位機種が最も優れているというわけではなく、付属品や付加機能によって価格差が生じていることが多い。例えば、外出先に持っていかないなら、持ち運びケースなどは不要だろう。

 また、高機能モデルにはさまざまなブラシが用意されているが、家族全員で使うならそれぞれの交換コストもバカにはならない。さらにカラーが同じだと混乱しやすいため、色分けや個別のブラシスタンドがあるかなどの小さな部分で使いやすさが変わってくる。家族構成や使い方を吟味して、ベストの1本を探してみよう。

文・フリーライター 栗山琢宏